イノシシなどの有害鳥獣被害「マップ化」 効果的な対策に活用

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 東京電力福島第1原発事故後に県内で急増したイノシシなどの有害鳥獣による農作物被害の軽減に向け、県は本年度、県内約5500集落の代表者を対象としたアンケートを行い、効果的な対策の一手とするデータの集積、解析を本格化させる。アンケートを基に有害鳥獣の生息状況や農作物被害を獣種別に分けたマップを作り、農家が柵を設置する際に獣種に合った対応ができるようにする。

 県は地域や獣種別に被害額などを集計しており、マップと突き合わせることでデータの精度を向上させる。マップを基にセンサーカメラを使い、出没範囲を絞り込む詳細な調査も検討。さらにモデル集落での実証事業や集落の中心となる人材の育成など、既に着手している多面的な取り組みと連動させる。

 県は昨年度、住所の字単位で有害鳥獣の目撃情報や被害状況などを尋ねる集落調査を暫定的に行った。ただ、質問項目で「増えた」「減った」など個人の感覚に左右される部分やニホンジカとカモシカの見間違えなどもあり、正確性に課題が残った。このため、対象者に統一的な回答基準を周知して調査を継続、専門家の視点を取り入れて実態に近いデータに更新し、市町村などの関係機関や生産者と共有する。

 2016(平成28)年度は計1億6815万円に上った。特にイノシシは稲や果物を食い荒らす事例が目立っており、11年度の4933万円から16年度の9493万円と歯止めがかかっていない。

 本県では原発事故後、避難区域などで繁殖したイノシシの対策に苦慮する問題が表面化した。県が昨年度に実施した集落調査でも平野部を除く県内ほぼ全域で生息が確認された。繁殖定着していない地域とみられる会津西部も今後、雌の分布拡大に伴う個体数の増加が予想され、新たな対策が迫られている。

 県は「データ作成を取っ掛かりに実態を把握し、最小限の予算で効果的な対策に取り組みたい」(環境保全農業課)としている。