思い出の写真救え!洗浄ボランティア 「かけがえのないもの」

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洗浄した写真を一枚一枚並べる伊藤さん=本宮市

 「写真は思い出。その一瞬が一生残る」。西日本豪雨の被災地で泥まみれになるなどした被災者の写真を洗浄するボランティアの輪が本県でも広がっている。「東日本大震災の時に支援してくれた人々へ恩返しになれば」との思いと、「被災者にとって家族との写真がかけがえのないもの」という震災での実感が参加者の根底にある。

 県内では福島市や国見町、古殿町などの写真館がボランティアに参加している。本宮市の日の出写真館では、従業員らが一枚一枚の写真を丁寧にアルバムからはがして洗浄、陰干し作業を行っている。社長の伊藤芳貴さん(43)は「形に残る思い出を少しでもきれいな状態でお返ししたい」と話す。

 岡山県の柳生写真館が豪雨発生後、東日本大震災の際に若手写真館経営者の全国組織「PGC(パイオニア・グリーン・サークル)」のメンバーが、本県などで行われた写真洗浄ボランティアを思い出し、交流サイトで行動を呼び掛けたのがきっかけ。持ち込まれる写真が多く、作業が追い付かない状況になったことを知った伊藤さんらが協力を申し出た。

 伊藤さんは委託を受けて岡山県の一家族分の写真を担当している。一家族分でも段ボール一箱にアルバムなどがぎっしり。泥がついたりカビで劣化が進んだ写真も多くあった。新郎新婦が満面の笑みを浮かべる結婚式や七五三の着物を身にまとい、すました顔の子どもの写真などを洗浄するうちに「震災時に南相馬市で行った写真の洗浄ボランティアの記憶がよみがえった」と伊藤さん。「被災された方を思うと切ない気持ちになるが、自分たちができることを少しでもしたい」

 冨士写真館(田村市)の白岩大和さん(30)もインターネットで活動の需要の高さを知った。「これは手をあげないと」と迷わずボランティアを申し出た。「写真は物に残しておく価値がある。壊れたデータは修復しにくいが、紙には可能性がある。しっかり直し、持ち主に安心してもらいたい」と白岩さん。写真の力を信じて作業を続けている。