北の国からの蛍...倉本作品「朗読」 福島で女優・中嶋朋子さん

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「倉本聰の仕事と点描画展」で、ドラマで自身が着用した衣装を懐かしむ中嶋さん

 脚本家倉本聰さんが手掛けたドラマ「北の国から」の蛍役で知られる女優中嶋朋子さんによる朗読会が5日、福島市のとうほう・みんなの文化センターで開かれた。倉本さんが富岡町をテーマにした点描画「夜の森 桜はそっと呟(つぶや)く」に添えた詩の朗読では、中嶋さんが自然の視点に立った情景をしっとりと聞かせ、来場者を倉本作品の世界にいざなった。

 中嶋さんとゲストの詩人和合亮一さん(福島市)が朗読した。「夜の森―」は富岡町にある「夜の森の桜」の東京電力福島第1原発事故後の心情を想像した詩で、中嶋さんは「倉本さんは観察のプロフェッショナル。夜の森の桜を繊細に表現したのだろう。皆さんも作品を心の声で読んで味わってほしい」と語った。

 中嶋さんはこのほか、本県ゆかりの高村光太郎の「樹下の二人」と草野心平の「おたまじゃくしたち45匹」を読み上げた。和合さんも自作「詩の礫(つぶて)」などを披露した。

 トークショーでは「北の国から」の撮影秘話を披露。連続ドラマで列車を中嶋さんが追い掛ける場面は「走りながら、いいタイミングでマフラーが飛んでいくシーンを撮るために何度も走った」と明かし、ユーモアを交えながら倉本さんやスタッフの情熱が今も語り継がれる名シーンをつくり出した様子を紹介した。

 朗読会は福島民友新聞社の主催、大清プロダクションの特別協賛。同センターで開催中の展覧会「森のささやきが聞こえますか―倉本聰の仕事と点描画展」との同時開催。

 「あぁ懐かしい」

 中嶋朋子さんは朗読会前に展覧会会場を訪れ、倉本聰さんが描いた点描画などを鑑賞した。

 中嶋さんは「自然の中にいると人間の無力さが分かる。倉本先生は自然の強さや優しさ、大きさを木に語らせた」と想像した。「北の国から」の小道具や撮影セットの展示では、蛍役の衣装と再会。「あぁ懐かしい」と声が漏れた。

 中嶋さんはこれまでも観光などで何度も来県していると明かし、「自然豊かな福島にまた訪れたい」と話した。