浜通りで「多目的医療ヘリ」運航へ 医師移動や患者、薬品搬送

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 浜通りの医療体制強化に向け、県は早ければ10月、医師の移動や患者、薬品の搬送に使える「多目的医療用ヘリ」の運航を始める。2次救急病院として4月に開院した県ふたば医療センター付属病院(富岡町)を拠点に、脳外科など双葉郡にはない専門医療を必要とする患者を福島医大病院などに搬送し、迅速で質の高い医療が受けられる体制を確保する。

 県によると、自治体が患者の搬送も兼ねて多目的ヘリを運航するのは全国で初めて。8日に福島市で開かれた双葉郡などの医療体制を考える検討会で県が報告した。運航要領に基づき9月から1~2カ月程度の試験飛行後に運航を始める。

 多目的ヘリは日中、格納庫がある福島医大病院から富岡町のセンター病院に向かい、ヘリポートに常駐。センター病院から浜、中、会津3地方の救急医療機関に患者を搬送するほか、福島医大病院からは要請に応じて専門医や医療機器、薬品などを搬送する。生死に関わる患者の対応に限ったドクターヘリと違い、より多角的な運用が可能という。

 運航は民間の航空運送会社に委託。年間の出動回数を200回程度と想定。県は初年度の委託料2億9千万円を昨年の12月補正予算で確保している。

 県によると、避難指示が出るなどした12市町村で震災後に再開した医療機関は31施設で震災前の100施設の約3割。一部区域を除き、避難指示が解除された全市町村で診療所が開設・再開されたものの、高度な医療を受けられる体制の整備が課題となっている。ふたば医療センターは24時間365日対応で救急医療を担っているほか、7月からは訪問看護も始めた。7月末までの患者数は延べ622人で月ごとに増加。県は「救急患者の双葉郡内への搬送率が震災前より向上し、搬送時間も短縮された」(病院経営課)としている。