「蛍」役の女優・中嶋朋子さんに聞く 倉本聰の仕事と点描画展

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「春になったら夜の森の桜を見てみたい」と話す中嶋さん

 福島市で開催中の展覧会「森のささやきが聞こえますか―倉本聰の仕事と点描画展」の関連企画(5日)で、脚本家倉本聰さんの作品を情感たっぷりに朗読した女優の中嶋朋子さん。倉本さんの代表作「北の国から」では少女蛍役を務めた中嶋さんに、倉本作品の魅力を聞いた。

 ―倉本聰さんが点描画を描くことは知っていた?
 「『北の国から』の撮影時、倉本先生が趣味で点描画を描いていた。見せてもらい、出来栄えに驚いた。倉本先生の脚本は緻密な表現で全体をつくり上げる。細部まで手が込んだ点描画は倉本先生ならでは」

 ―倉本さんが富岡町・夜の森の桜をテーマにした点描画の連作「夜の森 桜はそっと呟(つぶや)く」に添えた詩を朗読した。どんな感情を込めた。
 「幼少から北海道に親しみ、自然の恵みと脅威、人の存在の小ささを知った。自然は人の心情を映すが、見方は人それぞれ。倉本先生がつくる温かい作品に通じる考えを気に掛けた」

 ―連作「夜の森―」の中で気になった作品は?
 「『腰かけのサクラ』が好き。桜の木に腰掛けた、いろいろな人の思い出がこの桜で繰り返されているんだろうなという印象。それにブタの点描画も印象深い。春になったら夜の森の桜をぜひ見てみたい」

 ―「北の国から」の印象深い思い出と、展覧会の展示資料を見てどう感じた。
 「ラーメン屋やいかだ下り、へそ祭りなどのドラマのシーンの思い出はあるが、実は撮影の合間にやった雪合戦などのほうが鮮明だ。会場には、撮影で使われた小道具や私の服などもあって懐かしくなった。展示をながめて、DVDでまた作品を見ると違った見方ができるのでは」

 ―本県の印象と県民にメッセージを。
 「福島には旅行などで何度も訪れている。フルーツラインや磐梯山、温泉巡りを楽しんだ。きれいな景色が多い。福島の皆さんが前に進む姿を見せてもらっているので、私も思いを共有できるよう気持ちを寄せていきたい。また福島の豊かな自然に触れに来たい」

 なかじま・ともこ 1971年生まれ。東京都出身。幼少から子役として活動。81年から2002年まで倉本聰さんが手掛けた「北の国から」で黒板蛍役を演じた。朗読やナレーションも意欲的に取り組む。第17回読売演劇大賞優秀女優賞(2009年)などを受賞。