福島医大病院、内視鏡で「食道」治療 負担減、患者40人に施術

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 福島医大病院内視鏡診療部(引地拓人部長)の中村純医師(39)を中心としたグループは、食道の筋肉がうまく動かず食べ物が食道にたまる病気「食道アカラシア」に対する治療法として内視鏡を使った筋層切開術(POEM)を行っている。導入は2016(平成28)年4月から。東北では東北大病院に次ぐ2番目で、これまで約40人に施術。従来の外科手術と比べて患者の身体的負担が少ない治療方法として注目されている。

 食道アカラシアは、食道と胃をつなぐ筋肉の開閉や、食べ物を食道から胃に送る運動「食道蠕動(ぜんどう)運動」に障害が起こる病気。原因は不明で、食事のつかえや胸痛、就寝中に吐いてしまうなどの症状が見られる。福島医大病院では年間約15人の患者が食道アカラシアの診断を受けるという。

 POEMでは内視鏡で食道の粘膜下部の筋肉に縦方向のトンネルを作り、異常収縮した食道の筋肉を緩める。中村医師は「何重にも重なり、きつく締まった輪ゴムに切り込みを入れて緩めるイメージ」と話す。

 これまでは外科手術のほか、投薬やバルーンで食道の狭い部分を拡張する治療が行われてきたが、再発の可能性があった。POEMではほとんどの患者で長期にわたり症状が改善したという。

 また、外科手術では切開の長さに制限があり、食道全体の筋肉に障害のある患者の治療が難しかったが、POEMでは切る長さや場所を自由に決められ、治療が可能になった。

 中村医師は「POEMは体に負担を掛けずに症状を楽にすることができ、生活の質向上に期待が持てる」と話している。