『相馬の魚』若い力でフレンチに変身! 料理人と漁師がタッグ

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
相馬の魚介類を使用した料理について話し合う森さん(右)と菊地さん

 漁業や観光の復興に向け相馬市の若手料理人と漁業者がタッグを組み、地元産魚介類を生かしたフランス料理開発に取り組んでいる。震災で大きな打撃を受けた本県漁業。食材としての新たな提案や希少魚種活用など、創意工夫と発信力で相馬の新たな魅力をつくり出そうとしている。22~24日には大規模な試食会を開く予定で「少しでも復興のきっかけになれば」と話す。

 「相馬は魚の宝庫。これまでと違った食べ方の提案でブランド化できるんじゃないか」。相馬市の市街地でフランス料理やイタリア料理を扱う「ワインビストロ コートドール」店内で、店主の森健太郎さん(41)と漁師の菊地基文さん(41)がメニュー開発へ打ち合わせを重ねる。

 森さんは昨年4月に店を開いた後、程なく地元産品を生かしたメニュー開発を始めた。きっかけは、若手漁師の先頭で奮闘する菊地さんとの出会いだった。相馬原釜の港で季節ごとに揚がる魚のデータを参考に、メニューなどの検討を進めてきた。

 見た目は良くないが味の評価は高い「サメガレイ」や希少価値の高い「ブドウエビ」。こうした魚が相馬の港で揚がることを、地元でも知らない人は多い。森さんは「まずは地元の人に知ってもらうこと。そこから広がっていくはず」と前を見据える。

 一方で震災後、相馬双葉漁協では、若手漁師を中心に魚の付加価値を高める取り組みが進んできた。魚の鮮度を長持ちさせるために行う「神経締め」の技術はその一つ。じわじわと学ぶ漁師が増えたのは、漁業復興への危機感からだ。

 「これまでは常磐ものというブランドにぶら下がってきた。それだけでは駄目」と菊地さん。魚をより高い品質で流通させることで、震災前を超える漁業の形を見いだそうとしている。森さんと進めるフランス料理開発もその取り組みの一手だ。「頑張っている料理人と手を組み発信できれば、絶対面白い地域になる」と期待を寄せる。

 地元食材を使った料理が広まれば観光の呼び水にもなる。「何より地元の人が地域に誇りを持てるようになるはず。徐々に広がりをつくっていきたい」。森さんと菊地さんは声をそろえる。