農家悲痛、困惑「まさかこんな事態に」 新宮川ダム貯水率ゼロ

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有効貯水率がゼロになり、ダム底の一部が露出している新宮川ダム=23日

 「まさかこんな事態になるとは」「水の供給のために一日の大半を費やしている」。会津美里、会津坂下両町に農業用水を供給している新宮川ダム(会津美里町)の水が尽きた23日、農家は悲痛な表情を浮かべた。一部では渇水のため水田に地割れが起きたり、稲が枯れたりするなどの被害が出ているが、「自然」頼みが続くばかりだ。

 新宮川ダムの放流を調整している会津宮川土地改良区は、コシヒカリなど主要品種が最も水を必要とする「出穂期」を迎え、例年同様、7月下旬にダムの放流を開始した。だが、猛暑による予想以上の渇水で、すでに枯れている水路が多数あったため、水田に十分に水が行き渡らない事態に。その後、放流量を増やしたが、ダムの貯水量は減少し続け、今月4日からは放流量を抑制し、地区別に水を供給する輪番制とすることで農業用水の供給を維持、17日からは雨による流入量のみの放流に切り替わった。

 今後は、使用する水量が徐々に減る「成熟期」に移行するが、農家からは出穂期に受けた渇水や高温被害などの影響を懸念する声が上がる。水が比較的不足している用水路の末端に当たる会津美里町の下中川地区に水田を持つ農家、男性(39)は「今まででこんな対応に追われたことはない」と困惑し、「コメの質と収穫量が心配だ」と表情を曇らせた。現在も、一部の水田には十分に水が行き渡らず、揚水ポンプで用水路から水を水田に供給している。