「アマミノクロウサギ」生息地分断 徳之島で数千年以上前から

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 福島大共生システム理工学類の兼子伸吾准教授(分子生態学)らの研究グループが、鹿児島県の徳之島に生息するアマミノクロウサギについて、数千年以上前から島内の南北の生息地が分断されていた可能性が高いことを遺伝解析により突き止め、24日に米科学誌に発表した。

 国立環境研究所生物・生態系環境研究センターの安藤温子研究員らでつくる研究グループで、兼子准教授や筑波大、環境省の研究者が加わった。

 アマミノクロウサギは奄美大島と徳之島のみに生息する日本固有種で、徳之島では現在道路や農地によって南北に分断されて生息している。

 研究グループは徳之島でアマミノクロウサギのふんを採取し、DNAを抽出。得られた情報を基に南北の集団が分断された年代などを推定した。

 結果、南北の生息地は最短で約1キロしか離れていないにも関わらず、南北の集団は異なる遺伝的特徴を持ち、数千年以上の長い時間スケールで集団が分断され、今に至っている可能性が高いことが推定された。

 南北の集団の分断は近年の道路整備などで引き起こされたと考えられていたが、今回の結果から、徳之島が成立した頃の地形特性や旧石器時代の人の入植などが関与したことが示唆された。

 研究グループは「南北の集団はそれぞれに固有の遺伝子のタイプを持つことから、島内の遺伝的多様性を維持するためには双方の集団を維持する必要がある」としている。