「ロボット使い手」育成へ NEDO、福島県実証拠点を活用

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整備が進む福島ロボットテストフィールド(6月29日撮影)

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、福島ロボットテストフィールド(南相馬市、浪江町)を活用した大規模な人材育成事業を始める。橋やトンネルなど社会インフラの点検や災害対応分野でのロボットの使い手となる技術者の育成が狙い。災害対応ロボットの一大実証拠点として7月に一部開所した同テストフィールドの利用促進にもつなげる。

 人材育成事業に本年度から3年間取り組む。本年度は、県内外のロボットメーカーや橋・ダムを管理する自治体関係者を対象にしたシンポジウムやセミナーを予定。県内だけでなく全国主要都市などでの開講を検討しており、社会インフラで活用するロボット関連市場の裾野を広げる。来年度以降は、より詳細な分野ごとの長期講座を開設、県内企業とのマッチングを見据えた交流会を開くなどの取り組みを検討している。

 NEDOは昨年、県と同テストフィールドの活用に関する協定を結んだ。利用促進に向けて〈1〉橋の点検〈2〉ダムや河川などの水中点検〈3〉トンネル災害―の3分野で、同テストフィールドの設備を活用してロボットの性能を評価するための基準作りに取り組んできた。人材育成事業ではシンポジウムや講座を通して、評価基準や試験方法についても周知する。同テストフィールドやロボットの性能評価基準が継続的に利用され、人材育成が図られるとの好循環を生み出す。

 国内では、社会インフラの老朽化の進行と少子高齢化による人手不足を背景に、社会インフラ分野へのロボット参入に注目が集まり、社会インフラの維持管理・更新のためのロボット関連市場は2030年に7000億円規模にまで拡大すると期待されている。同分野ではロボットの技術開発が進む一方で、ロボットを使いこなす人材の確保が課題となっている。