希少植物切り、種奪う 桑折・半田山公園でシラネアオイ9000株

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(上)種が切り取られたシラネアオイ(下)種がついた状態のシラネアオイ

 福島県内有数のシラネアオイの群生地である桑折町の半田山自然公園で、何者かによりシラネアオイの種が大量に切り取られていたことが29日、同町などへの取材で分かった。シラネアオイは県のレッドリストで絶滅危惧種4段階カテゴリーのうち上から2番目の「絶滅危惧1B類」に指定されている希少種。群生する約1万株のうち9割超から種が切り取られた。町は県警に窃盗などで被害届を提出する方針。

 町や同公園でシラネアオイ保護に取り組む半田山愛草会によると、20~30アールに自生するシラネアオイ9000株以上で種の部分が切り取られていたほか、同会が群生地とは別の場所に植えていた若い株からも、種が切り取られていたという。

 27日朝、公園の管理人が見回り中に被害を確認した。切り口から、種は実ごと刃物で切り取られたとみられる。最後に種が付いた状態が確認されていたのは15日夕だった。同公園では2016(平成28)年にも同様の被害があったという。

 シラネアオイが群生する区域には遊歩道が設置され、歩道と群生区域の境界にはロープが張られている。区域への立ち入りを禁じる看板も設置されているがロープ沿いだけでなく、奥の急斜面でも種が取られていた。

 シラネアオイは5月に淡い紫色の花を咲かせる山野草。同会によると、1株に3、4個程度できる実から1個当たり、約100粒の種が取れる。多年草で、種が切り取られたことによる来年以降の開花への影響は少ないとみられる。発芽してから花が咲くまでには4年かかるという。