『第6の選択肢』提示求める 処理水公聴会、海洋放出反対11人

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 東京電力福島第1原発の汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含む処理水の処分を巡り、富岡町で30日に初めて開かれた公聴会。「影響を最小限にとどめる方法を」。意見発表者からは、政府の作業部会が示した海洋放出など五つの処分方法以外に原発構内にある地上タンクでの保管の継続や新技術の活用など「第6の選択肢」の提示を求める意見が相次いだ。

 発表者14人のうち、原子力規制委員会が五つの処分方法の中で「現実的で唯一の選択肢」とする海洋放出に反対する趣旨の発言をしたのは11人で、海洋放出を支持したのは1人だった。海洋放出に反対の立場の発表者のうち、6人は地上タンクなど陸上での保管の継続を求めた。

 富岡町出身で、現在はいわき市に暮らす司法書士渡辺和則さん(44)は「(海洋放出は)国民への十分な周知が図られていない。タンクの貯蔵量が限界に達するというが、(近くの土地を)買い上げるなどして地上での保管を継続すべきだ」と訴えた。

 また、近畿大工学部が発表した水とトリチウムを分離する技術などの実用化を待った上で、処分方法の再検討を促す発表者もいた。

 公聴会には浜通りの住民ら101人が傍聴に訪れた。

 多くの発表者が懸念

 「トリチウム以外を含んでいない水を放出するという前提と違う」。公聴会で多くの意見発表者が、東京電力福島第1原発の汚染水を浄化した後の処理水に含まれる放射性物質トリチウム以外の放射性物質の取り扱いについて懸念を示した。

 第1原発では原子炉建屋などにたまった汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化しているが、トリチウム以外の放射性物質も除去しきれずに残留、一部は排水の法令基準値を上回っていたことが判明している。

 公聴会では意見発表者から「(残留している放射性物質の中には)ヨウ素も含まれていると報道されている。海洋放出は県民への被害をさらに広げる」などの指摘が相次いだ。

 経済産業省の担当者は「法令基準値を満たした上で、安心の追求や風評被害への対策が必要だ。情報の出し方も工夫する」と述べたが、発表者からは「答えになっていない」との批判が上がった。