トリチウム含む処理水「長期保管」加え検討 公聴会の意見受け

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
公聴会後、報道陣にタンクでの継続保管を検討する考えを示す山本委員長=都内

 東京電力福島第1原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法を検討する国の小委員会は31日、郡山市と東京都内で公聴会を開き、2日間の日程を終了した。参加者からトリチウムの半減期12・3年を踏まえ、タンクでの長期保管を求める意見が相次いだことを受け、山本一良委員長(名古屋学芸大副学長)は公聴会後、「これだけ提案をいただいたので議論する。どのような可能性があるか検討したい」と語った。

 一方、山本委員長は「永久保管は難しい。実際に処分する時には、どういう運用や設計がいいか、風評被害が大きくならないタイミングなども議論していく」と語り、処分方法の具体化を急ぐ考えも示した。

 郡山会場で14人、東京会場で16人が意見を発表。14人が登壇した30日の富岡町会場と同様、原子力規制委員会が処分方法の一つとして示す「海洋放出」に多数が反対した。トリチウム以外にも残る放射性物質への懸念も多く示され、タンクでの保管継続を求める声が相次いだ。

 タンクでの保管について国はこれまで、第1原発にはタンク建設の用地が限られているなどと否定的で、小委員会も検討してこなかった。今後は保管期間やタンクを建設する用地などを議論するとみられる。また山本委員長は、国民の意見を聞く機会を設けることについても「考慮する」とした。郡山会場では傍聴者が意見を求める場面もあり、経済産業省は書面の意見募集の締め切りを1週間延ばし、ホームページに掲載することに変更した。

 小委員会は処分方法について、国の作業部会がまとめた〈1〉地層注入〈2〉海洋放出〈3〉水蒸気放出〈4〉水素(トリチウムを含む)に変化させて大気放出〈5〉地下埋設―の五つを検討。規制委は科学的な安全性に加え、最も短期間に低コストで処分できるとして、希釈した上で海洋放出する方法が現実的な選択肢と指摘している。