輝きを再び...相双の縫製業 南相馬で10月・ファッションショー

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
「相双地方の縫製業の輝きを取り戻し、若者たちの夢実現に力を貸したい」と語る宮森代表

 相双地方の縫製業のかつての輝きをよみがえらせたい―。同地方の服飾関連企業などでつくる南東北ファッショングループは南相馬市で10月28日、ファッションショー「福島相双オールファッションチャレンジ2018」を開く。インターネットのクラウドファンディングによる資金調達にも挑み、ショーの内容充実にも取り組む。同地方は県内でも縫製関係の事業所が多く、グループ関係者は「相双の縫製業が地域経済を発展させ、復興へと歩む姿を情報として発信、服作りを夢見る若者の心をつかみたい」と意気込む。

 ショーは2016(平成28)年から毎年開催され、今年で3回目。過去2回の開催で複数の学生が同地方の縫製会社へ就職を決めるなど、PR効果に手応えを感じている。インターネットで資金を集めるクラウドファンディングの活用は開催内容の充実とともに情報発信を高めることも狙う。

 約10社からなる同グループに参加する南相馬市の服飾製造販売「アーティジャングル」の宮森佑治代表(35)によると、1964(昭和39)年の東京五輪開催を機に国内で洋服の需要が高まりを見せる中、当時の相馬市長が地域の女性の就業確保のために首都圏から縫製工場を誘致。従業員の独立もあって相双地方に縫製業者が爆発的に増加したという。

 流行を取り入れ商品価格を低く抑えた「ファストファッション」が全盛の中、震災、原発事故による風評被害で廃業を迫られるなど、縫製業の衰退が続く。一方で、地元の高校生から「服を作る仕事がしたいけど、福島じゃ無理」との声も聞こえてくる。

 危機感を抱いた同グループは「相双地方での業界の存在が忘れられている。事業所同士の縫製機械の融通など協力態勢は強力だ。1社だけでは無理でも数社集まれば何でも作れる。若者たちの夢の実現に手を差し伸べなければ。充実した雇用環境にあることをアピールしたい」と立ち上がった。

 宮森代表は「華やかだった昔の縫製業の世界を取り戻せるかは分からない。ファッションに興味のある若者たちは多い。能力を伸ばせる場所だということをショーを通し積極的にアピールし、雇用、地域経済の発展の一翼を担いたい」と語る。

 ショーでは全国の中学、高校生、服飾専門学校の学生らから募った服のデザイン画を同グループが製作。応募者らがモデルとなり、ランウエーを歩くイベントなどを繰り広げる。