中ノ沢こけしは「個性派」 全国コンクール名称承認

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土湯系こけしと中ノ沢こけしの特徴

 「最も歴史のあるコンクールで認められたことは大きな一歩」。

 猪苗代町の中ノ沢温泉から生まれた「中ノ沢こけし」の独自性が認められたことに、県内工人でつくる「たこ坊主会」の柿崎文雄会長(71)は喜びを語った。

 11系統ある伝統こけしに初めて「例外」が誕生したことで、12系統目の認定へ工人や関係者の期待が高まっている。

 「伝統こけし」はろくろで木材をひいて伝統的な模様を描くこけしで、弟子の工人が師匠の制作法やデザインを引き継ぎ100年以上作り続けているものを指すとされ、東北の11系統のみが認められている。県内には福島市の土湯温泉を中心に作られる土湯系がある。

 中ノ沢こけしは、土湯温泉(福島市)との距離の近さや胴のろくろ線などの共通点から「土湯系亜流」と分類されていたが、成り立ちや外見が土湯系と明らかに異なることから、「中ノ沢こけし」が新たな系統として認められるよう関係団体などに働き掛けを続けている。

 福島市のこけし博物館「西田記念館」運営委員の渡辺格さん(80)は「中ノ沢こけしは遠刈田の構造に近く、デザインも大部分がオリジナルだ。土湯系と結び付けるにはもともと無理があった」と話し、独立を歓迎した。

◆会津生まれの技

 中ノ沢こけしを生み出した岩本善吉の子芳蔵に師事した柿崎会長は「墓参りでいい報告ができる」と感慨深げ。

 伝統こけしの基準の一つ「誕生から100年」も近い将来に迎えることから「認定は、将来こけしを作っていく弟子に、技術を教える励みになる。会津生まれの木地の技をプライドを持って伝えていける」と笑顔を見せた。