いわきに「商用定置式」水素ステーション 福島県初、19年3月開所

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 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興を目指すいわき市で、次世代のクリーンエネルギーとして期待される水素を日常生活などに活用する「水素社会」の実現に向けた取り組みが始まった。その先駆けとなる県内初の商用定置式水素ステーションの起工式が4日行われた。ステーションは来年3月に開所予定。整備を機に、市は水素バス導入の検討に着手、複数の地元企業も燃料電池車の導入を計画しており、国や県が掲げる「福島新エネ社会構想」の実現への足掛かりとなりそうだ。

 定置式水素ステーションは、石油製品や生コンクリートの販売、ガソリンスタンド事業などを展開する、いわき市の根本通商(根本克頼社長)が整備する。同社が同市鹿島町で運営するコスモ石油「鹿島給油所」敷地内に併設する。

 水素を巡っては、浪江町で世界最大級の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」の整備が進んでおり、同社は将来的に同拠点で製造された県産水素の供給を目指す。根本社長は現地で行われたステーションの起工式後、「地方の企業が定置式の水素ステーションを整備した事例はまだない。福島新エネ社会構想の実現を目指し挑戦していきたい」と語った。

 一方、市は企業と連携した勉強会を開き、水素バスの維持管理の手法や、市内での運行可否などの研究を進めている。担当者は福島民友新聞社の取材に「何らかの形で水素ステーションの利活用を検討したい。条件が合えばバスも導入できるだろう」としている。

 また、水素ステーションの利活用に向け、市内の製造業など複数の企業がトヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI(ミライ)」を20台以上導入する計画も進んでいる。市民が燃料電池車を目にする機会が増えることで、燃料電池車の普及促進につながると期待される。

 県内の商用水素ステーションとしては、アポロガス(福島市)の子会社「ふくしまハイドロサプライ」が移動式を運営している。