福島大食農学類に寄付講座  県が10年間、農業の即戦力輩出後押し

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県と福島大食農学類の連携イメージ

 福島大食農学類の来年4月開設が正式決定したことを受け、県は3日、本県の実情に即した農業の技術やノウハウを伝える実践的な寄付講座の設置などを通して同学類を支援する方針を発表した。

 県は、有害鳥獣による農作物被害への対策と、東京電力福島第1原発事故に伴う風評の払拭(ふっしょく)につなげる農業経営の高度化の両分野を軸に講座開設を計画。卒業後に専門的な知見を生かし、本県農業の振興を支える「即戦力」輩出を後押しする。

◆支援へ県職員派遣

 県は来年度から10年間、講座を継続するための費用として2億円を拠出。2028年度までの予算を債務負担行為で確保するため、本年度一般会計補正予算案を14日開会予定の県議会9月定例会に提出する。県は一つの講座の経費を約1千万円と見込んでいる。

 県と福島大食農学類による連携では、県は研究調査や教育を担う大学側に対し、営農指導などの分野で現場経験が豊富な県職員を派遣し、講義や実習の機会を提供するほか、コメや野菜、果樹の品種開発などに取り組む県農業総合センターをはじめ県有施設を学生の研修や実技に活用してもらう意向。このほか共同研究の支援など、幅広い事業を視野に入れる。

 本県では、震災や原発事故の影響で農業を取り巻く環境が厳しさを増し、複雑化した。鳥獣被害では、避難区域などで繁殖したイノシシが稲や果物を食い荒らす事例が相次ぎ、さらに風評被害によって県産農林水産物の価格や販路が依然として回復していない。

 県はこうした状況や国内の産地間競争の激化を踏まえ、効果的な鳥獣対策や担い手の確保、農林水産物のブランド化などでも同大との連携強化を検討する方針で、「大学と同じ中長期的な視点で課題を解決したい」(農林企画課)としている。

 福島大も「農業にとって行政の視点は非常に重要。座学だけでなく、実践から学ぶことができると期待している」と県の支援方針を評価している。