品種開発、県に資金拠出 JAグループ福島、共同で生産や販売PR

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 水稲や麦、大豆の種子生産と安定供給、農産物の品種改良や新品種開発、ブランド力の強化に向け、JAグループ福島は、県の関連事業に資金を拠出する方針を固めた。県とJAの共同事業として、JAが研究開発などに資金を拠出、県が農業総合センターを中心とした施設で農産物の新品種の研究開発や種子生産などを担う構想が有力視される。今月中にも県、JAの両者で組織する協議会を設置し、具体的に事業着手する見通し。

 県産農産物の開発から生産、販売、PR活動までの一連の戦略を共同で展開するプロジェクト。県産農産物のブランド力強化に向けては水稲に加え、果物や野菜、福島牛の品種改良、品種開発が急務で、今回のプロジェクトは国内外で「唯一無二」のブランド力を保持する新品種の開発、生産者への普及、市場への浸透が計画の柱となる見込み。

 また、今夏の猛暑の影響で、本県が誇るブランドモモ「あかつき」の収穫期が例年よりも早まるなど、近年の気候変動、異常気象が本県農業に深刻な影響を及ぼしている現状を踏まえた対応にも乗り出す。具体的には、「あかつき」の収穫期の前後を支える早生(わせ)、晩生のブランドモモの開発や水稲の省力多収品種の開発、病害に強い果樹の開発などが検討されるもようだ。

 水稲や麦、大豆の種子生産と安定供給を義務付けてきた主要農作物種子法(種子法)の廃止で種子生産の根拠法がなくなったため、種子生産の予算確保が難しくなることや研究体制の縮小、遺伝資源の流出などが指摘されている。

 JAが資金を拠出する背景には、種子法廃止に伴い、種子生産や研究開発が停滞することへの懸念に加え、原発事故の風評被害という逆風の影響を受ける中で、国内での産地間競争に取り残されることへの危機感がある。

 県とJAグループ福島の連携した取り組みとしては2010(平成22)年に、県産米オリジナル品種の研究開発費として、JAが約8120万円を拠出。県はJAの拠出金を活用し、オリジナル品種「天のつぶ」などを開発した例がある。