新・尾瀬ビジョン公表 ファンづくりへ情報発信、シカ食害対策強化

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尾瀬沼周辺を観察する内堀知事(左から6人目)ら

 環境省は11日、福島、群馬、新潟の3県などでつくる尾瀬保護財団(理事長・大沢正明群馬県知事)が檜枝岐村の尾瀬沼ヒュッテで開いた尾瀬サミットで、尾瀬の強みを生かしたエコツーリズムや会員制交流サイト(SNS)による情報発信などを柱とする「新・尾瀬ビジョン」を公表した。入山者の減少やニホンジカの食害などの直面する課題に対応するため、2006(平成18)年に策定したビジョンを12年ぶりに改定した。

 人口減少やレジャーの多様化による「山離れ」を背景に、尾瀬の入山者数は1996年の約65万人をピークに減少が続き、昨年は約28万人と半数以下になった。震災と原発事故の影響で福島側からの入山者は減少、日帰り利用の増加や高齢化も目立つ。こうした状況に対応するため、若い世代など新たなファンを増やす取り組みを盛り込んだ。耕作放棄地の増加や狩猟者の減少に伴うニホンジカの食害も深刻化していることを踏まえた対策強化も明記した。

 同財団副理事長の内堀雅雄知事はサミット後、新ビジョンについて「利用者を増やすことによって、尾瀬の自然を守ることにつなげていくという取り組みが必要。構造的な登山客の減少や震災、原発事故の風評を払拭(ふっしょく)し、適正な利活用を促進したいという思いが根源にある」と述べた。