宇宙へ挑戦!塙工高生『地球撮影』成功 成層圏まで風船打ち上げ

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スペースバルーンで高度約2万メートルから撮影された地球

 塙町の塙工高電子科3年の生徒4人が、カメラを装着した風船を成層圏まで飛ばし、地球の映像を撮影する「スペースバルーン」の打ち上げに成功した。同校によると、県内の高校生では初めての成功例になるという。約3カ月間にわたって入念な準備に取り組み、壮大な宇宙への挑戦を実らせた。

 「想像していたような絵が撮れ、感動した」。地球の様子がはっきりと映し出された映像を目にし、研究班の班長を任された森冬哉さんは満面の笑みを浮かべた。打ち上げに成功したのは森さんのほか、藤田龍希さん、鈴木敦也さん、吉田創(つくる)さんの4人。5月下旬、課題研究の授業で指導する渡辺豊教諭(38)からスペースバルーンの挑戦を提案され、実際の映像を見た4人は「自分も撮影してみたい」と挑戦を決意した。

 風船を使った宇宙撮影の第一人者として知られる岩谷技研(郡山市)の岩谷圭介社長(32)にも「失敗してもいいから、やってごらん」と背中を押された。

 挑戦には文部科学省の補助金を活用した。スペースバルーンは風船にカメラ、追跡用の衛星利用測位システム(GPS)、パラシュートを取り付けたもの。偏西風が強くなるとカメラ回収が難しくなるため、4人は9月までの打ち上げを目指し実験と機体改良を繰り返した。森さんは「カメラケースの大きさや重心のバランスの調整が難しかった」と振り返る。航空法で必要な打ち上げ許可申請や保険加入などの手続きも並行して進め、夏休み中も学校に通って準備に取り組んだ。

 打ち上げは今月2日に行った。場所は、3カ所の候補地から気象条件などを考慮し、会津美里町を選んだ。風船はトラブルなく高度約2万メートルまで上昇し、約2時間、成層圏を漂い、郡山市の山中に落下した。着地点は当初想定より約10キロ西にずれたものの、約1週間後に回収。10日に映像を目にした4人は歓声を上げて喜び合ったという。

 4人は今月下旬、2度目の打ち上げに挑む予定。さらに鮮明な映像を撮影できるよう、機体の改良も続けている。渡辺教諭は「期待以上の頑張り。無謀な挑戦かと思っていたが、自分たちで調べ、アイデアを出しながら取り組んでくれた」と目を細めた。

 この挑戦には、専門家からもエールを送る声が上がっている。流体システムを研究する日大工学部の彭国義(ほうこくぎ)教授は「高校生が宇宙の撮影に挑戦する姿勢が素晴らしい。この経験を生かし、さらに科学技術を学んでほしい」と話している。