処理水の再浄化「必要なし」 規制委員長、科学的安全性踏まえ

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東京電力福島第1原発を視察後、報道陣の質問に答える更田委員長

 東京電力福島第1原発の汚染水を浄化した後の処理水に、排水の法令基準値を上回る放射性物質トリチウム以外の放射性物資が残留していることに関し、原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は5日、東電が処分前に実施する方針を示した処理水の再浄化は必ずしも必要ではないとの認識を示した。更田氏は科学的な安全性を踏まえ「告示濃度制限(排水の法令基準値)が守られる限り、絶対に必要なものという認識はない」と述べた。

 同日、福島第1原発を視察後、報道陣に語った。1日に開かれた処理水の処分方法を検討する政府の小委員会では、処分する場合は再浄化を議論の前提にすると確認したばかり。

 更田氏は「科学的には、再浄化と(より多くの水と混ぜることで)希釈率を上げるのに大きな違いはない。告示濃度制限は非常に厳しい低い値に抑えられている」と指摘。

 処分方法の一つとして検討されている海洋放出の場合、希釈して基準値を下回れば容認する立場を改めて示した。

 ただ更田氏は「事故を経験した現場から出てくる水であり、再浄化という議論は理解できる」とも語った。

 また、更田氏は廃炉作業への影響から処理水の処分の必要性を強調。処分方法については「希釈して海洋放出するのが最も合理的だが、社会的な影響は小さくなく、あらゆる関係者の判断に委ねるしかない」と語った。

 東電は、福島第1原発のタンクに保管中の水の約8割でトリチウム以外の放射性物質濃度が基準値を上回っていると推定。8月末の公聴会では詳細な情報が示されず批判が相次ぎ、東電は風評被害などの影響を考慮し、処分する場合は再浄化が必要と判断した。

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