和牛繁殖を遠隔管理 飯舘でICT使い実証実験、スマホで効率化

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畜産ICT機器一元管理システムイメージ

 阿武隈高地を中心とした福島県畜産業の復興に向け、県は和牛繁殖農家の負担軽減を図る実証事業を飯舘村で始める。ICT(情報通信技術)機器を活用してカメラを一元的に管理し、牛舎から離れた場所でもタブレット端末やスマートフォンなどで雌牛の発情や体温異常などを確認できるシステムを、同村で本格的な営農再開に取り組む農家1戸に導入。モデルを構築し、他地域での普及拡大を目指す。

 県は飼養や経営管理に労力がかかる大規模農家での導入を想定。雌牛の異常や発情の情報がメールで通知されるため、煩雑な夜間などの見回りの負担軽減や出産時の事故防止が期待される。

 また情報の一元管理により、子牛の販売価格を含む収支や餌の栄養バランス、畜産のGAP(ギャップ、農業生産工程管理)に沿った点検項目などをデータとして記録でき、作業が効率化される。

 畜産現場では体温から風邪や病気の有無などの健康状態を把握する「サーモカメラ」や、発情期に行動量が増える雌牛の特性を踏まえて種付けの頃合いを計る「モーションカメラ」、撮影方向の操作やズームによって牛舎の様子を確認する「遠隔カメラ」などが普及。農家が機器を個別に設置しているが、機器によってメーカーが異なるなどの理由で、それぞれのカメラから得られた情報を一元的に管理する仕組みがなかった。このため県が業者に新システムの開発を委託していた。

 本県では生産者の高齢化や震災、原発事故の影響で和牛の繁殖と肥育農家、飼養頭数とも減少に拍車が掛かっている。戸数は1990(平成2)年の1万5千戸で頭打ちとなり、昨年は2310戸と震災前に比べ4割以上減っている。

 一方、経営の規模拡大を目指す動きが広がり、1戸当たりの飼養頭数は増加傾向にある。初期投資が高額な畜産業は新規就農者が少なく、震災後は営農を再開した意欲のある農家らを後押しする支援策の必要性が指摘されている。

 県は「省力化できる最新システムを実用化して、繁殖農家の大規模化や収益力向上に結び付けたい」(畜産課)としている。

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