教室を『アート』一色に! 児童と作家、猪苗代で滞在制作進む

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校舎の廊下に樹木を描いた小栗さん(左)と、楠さん。児童と保護者がバラの花を描いていく=猪苗代町・翁島小

 「子どもがアートに出会える教室にしたい」。猪苗代町で、学校校舎の壁に作家や子どもが作品を描く芸術祭「ウォールアートフェスティバル(WAF)」の本番(11月3、4の両日)に向けた準備が進む。町内に作家たちが訪れ、子どもたちと触れ合いながらの「滞在制作」が進んでいる。

 WAFはもともとインドの学校を舞台に、NPO法人ウォールアートプロジェクト(本部・東京都)がアートを媒介として展開してきた教育支援活動。事業で連携した縁で、猪苗代青年会議所(JC、渡部一登理事長)が創立40周年事業として実行委を組織した。今回は「アート×学校×地域」をテーマに、同町の学校などで日本やインドのアーティストが滞在制作する。

 「格好良くなってきたね」。ある日の翁島小。最初は単色だった樹木に陰影が付き、次第に立体的な姿を現す様子を見た児童が作家に声を掛けた。同校にはイラストレーター・漫画家の小栗千隼(ちはや)さんが廊下の壁から天井にかけて樹木の幹と枝を描いている。

 小栗さんは児童と同じ時間に登校し、授業時間中に制作、児童と一緒に給食も囲む。「完成が近づき、子どもの目の輝きが増してきた」と小栗さん。「翁島小にしかないよね、と誇らしく話す声がうれしい」と筆を進ませる。仕上げは27日の学習発表会。児童と保護者がステンシル版画でバラの花を描き入れて作品が完成する。

 少子化で学校の統廃合が進む今、実行委員長の楠恭信(くすのききょうしん)さん(39)は「子どもが集う学校は地域にとって特別な場所。校舎が役目を終える前に、地域の人が見直す機会をつくりたかった」と語った。子どもたちが町を舞台にした芸術に触れて古里を見つめ直し、作家との交流で感性を磨く新しい教育を提案する。翁島小の作品を見た楠さんは「満開の花が楽しみ。実物の作品を見ながら学ぶ子どもたちは、どんな刺激を受けるだろう」と期待を語った。

 野口勝宏さんら13人

 芸術祭では総勢13人の作家が町内各地で制作を行う。猪苗代高では、卒業生で第26回みんゆう県民大賞芸術文化賞を受賞した写真家野口勝宏さんが町の花を題材に作品を手掛ける。吾妻中にはインドのワルリ族の画家が滞在。伝統技法の壁画「ワルリ画」を描き、27日に公開制作を行う。

 芸術祭本番の11月3、4の両日は猪苗代高、翁島小、はじまりの美術館、和みいなで作品公開や作家によるワークショップが開かれる。

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