「伊藤若冲展」19年3月開幕 福島県立美術館、国内初公開作も

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東日本大震災復興祈念「伊藤若冲展」の記者会見に臨んだ(右から)五阿弥社長、早川館長、安斎局長、河田社長=18日午前、県庁

 国内外で知られる江戸時代の「奇想の画家」伊藤若冲(じゃくちゅう)(1716~1800年)の、よりすぐりの名作を紹介する「伊藤若冲展」が来年3月26日から5月6日まで、福島市の県立美術館で開かれる。重要文化財「蓮池図(れんちず)」(大阪府・西福寺)や、「百犬図(ひゃっけんず)」(個人蔵)、「菊花図」(米・デンバー美術館)をはじめとする米国内所蔵の作品など、国内初公開作品を含む約100点を展示する。東日本大震災復興祈念事業として福島民友新聞社などでつくる実行委員会が主催する。

 本展は若冲の作品のみを公開する単独展。県内では2013(平成25)年、県立美術館で開かれ、約15万6000人が観覧した「プライスコレクション」展でも、他の作家と共に若冲の作品が多数紹介されたが、今回展示される約100点(入れ替えあり)は全く異なった作品となる。

 18日、県庁で実行委による発表会見が開かれた。実行委員長の早川博明県立美術館長は「動植物を生き生きと表現し、理屈抜きで多くの人に感動をもたらす若冲芸術の魅力」と、晩年に大火で被災した人間若冲の「復興に寄せた思い」の二つを企画の見どころと説明。従来以上に「若冲の深淵(しんえん)、神髄」を伝える展覧会だと話した。

 若冲の魅力として知られる動植物を描いた作品としては、晩年の作「百犬図」が登場する。表情や毛色、模様ともさまざまな子犬59匹が描かれ、一匹一匹に注がれたまなざしの温かさが伝わる。

 復興への思いを伝えるのが重要文化財「蓮池図」。1788年、京都で起きた天明の大火で家を失った若冲が、避難先で襖(ふすま)に描いたといわれる水墨画(現在は6幅の掛け軸)で、右3面につぼみや満開の花、左3面には破れた葉や散りゆく花が描かれた蓮池の情景は、生命の移ろい、時間の循環を思わせる。

 企画監修を務める京都国立博物館名誉館員の狩野博幸氏は、枯れたハスのわきの白いつぼみに「意味がある」とし「若冲は京都の復興を願っていたんだと感じさせる」と述べている。画題とともに、銅版画のように筆力を抑えた描線も若冲の新境地。晩年の深まりを感じさせる。

 東日本大震災復興祈念「伊藤若冲展」実行委員会は、福島民友新聞社、県、県教委、県立美術館、福島中央テレビで構成する。若冲展実行委員長の早川博明県立美術館長は「生命の躍動と再生への願いを表現した若冲の作品を通し、復興途上の県民、特に子どもや若者に感動と元気を送りたい」と話している。実行委の発表会見には早川館長をはじめ、五阿弥宏安福島民友新聞社長、安斎睦男県文化スポーツ局長、河田卓司福島中央テレビ社長ら委員が出席した。

 伊藤若冲展の観覧料金は一般1500円(前売り1300円)、学生1100円(同900円)、高校生以下と障がい者手帳を持参の人は無料。前売り券発売は来年1月の予定で、実行委員会が決定次第詳細を発表する

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