KYB改ざん...交換作業は難航か 県庁西庁舎の不適合「不明」

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 免震・制振装置の検査データを改ざんした油圧機器メーカー、KYBが初公表した対象建物は福島県の県庁西庁舎など自治体庁舎、中央省庁など計70件にとどまった。今後始まる不正品の交換作業は難工事や建設現場の人手不足が予想され、代替品の生産も追い付かず、物件によっては2年待ちとなる恐れがある。

 今回の発表では、県庁西庁舎は不適合な製品なのか分からない「不明」だった。理由は、不適合の有無を判断するデータが今回の公表までに確認されていないこととみられる。県は「不適合の『可能性』という状況は変わっていない。今後も(KYBに)早急に対応するよう働き掛けていく」(施設管理課)としている。

 県のほか、いわき市医療センターの建設を手掛ける総合磐城共立病院も建設会社を通じてKYBに問い合わせているが、実際に改ざんされた装置なのか不明な状況が続いている。公表について、いまだ意向調査はなく、担当者は「なぜ官公庁のみの公表なのか」と困惑した様子で話した。

 専門家「裏切り行為、悪質」

 建築構造などが専門の日大工学部建築学科の浅里和茂教授(57)は「KYBはオイルダンパーの種類も多く、設計者が選びやすいメーカーだった。東日本大震災があり、需要は急激に伸びたはずで、安全性を高めたいと思っていた自治体や病院、企業を裏切るような行為で悪質だ」と指摘する。

 浅里氏によると、国土交通省は免震用装置の性能検査で基準値からプラス・マイナス15%のずれを許容範囲としている。許容範囲から外れた装置の場合、大きな地震のときに性能通り機能せず、装置と建物の接続部が破損したり、建物の柱や梁(はり)などの損傷が大きくなるなどの影響が考えられるという。

 役所や病院などは大きな地震が起きた際に重要な機関になるため「揺れが早く収まるようにし、被害を最小限にとどめ継続して運営できるように設計し、免震・制振装置を設置していた建物も多いはず」と浅里氏。「装置の影響で損傷が大きくなり、非常時に継続して使えなくなる可能性があり大きな問題だ」と話した。

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