武黒元副社長、危険性報告「覚えていない」 東電強制起訴公判

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 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人の第32回公判は19日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれた。被告人質問で武黒一郎元副社長(72)は、公判の焦点となっている、事故の約3年前の社内会議で従来の想定を約2メートル上回る大津波の危険性を報告されたか否かについて「覚えていない」と述べた。

 武黒元副社長は「この会議は何かを決める場ではなく、対策が了承されたとするのは強引」と見解を述べた。被告の一人、武藤栄元副社長(68)の「2008年8月上旬に長期評価の内容とその取り扱い方、15.7メートルの想定を武黒元副社長に伝えた」との証言については「報告があってもおかしくないが、具体的な記憶は一切ない」と説明した。

 長期評価の内容は翌09年4~5月ごろ、部下だった吉田昌郎元福島第1原発所長(故人)から初めて報告を受けたとした。

 また武藤元副社長が試算結果を知り、土木学会に研究を依頼するよう指示したことについては「長期評価を基に対策を決められる状況になかった」と説明。武藤元副社長の判断は「特段不思議なことではない」とした。

 武黒元副社長は被告人質問の冒頭、弁護側に事故の認識を問われ「原発の責任ある立場にあった者として、皆さまに深くおわび申し上げる」と謝罪。検察官役の指定弁護士の問い掛けには「私としてはできる限りのことはしたつもりだ」と、事故の責任を否定した。

 次回は30日午前10時から。武黒元副社長の被告人質問を続けた後、勝俣恒久元会長(78)の被告人質問を行う。

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