佐藤工業社長「将来に道筋を」 子会社化、事業承継の方法模索

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 県内建設業大手の佐藤工業(福島市)が準大手ゼネコン戸田建設(東京都)の100%子会社になることが決まった。佐藤勝也社長(48)は福島民友新聞社の取材に、業界を取り巻く事業環境の変化などを踏まえた上で将来に道筋をつけるとし、「入社した21年前から、3代目の自分で創業家による経営は最後にすると決めていた」と語った。

 「これから厳しくなる事業環境の中、元気な経営状態で30年後の創業100周年を迎え、若い社員が働いていられるような環境を用意するための判断」。佐藤氏は決断の理由を述べた。事業承継の方法を模索する中で昨年7月、M&A(合併・買収)仲介会社を通して戸田建設を含む複数の企業から「買い取りたい」と連絡が来たという。

 戸田建設は、財務内容が健全であり、離職率が低く大型リストラをした経験もない。「堅実な経営をしている」。佐藤氏は交渉のテーブルに着く判断をした。社員給与や雇用について当面の間、社員に不利益となる変更をしないとの条件が受け入れられたことも決め手になった。「10年先に事業環境が厳しくなってから上場を考えたり、提携先を探しても遅い。売り手市場で『買いたい』と話が来た時に進めた方がいいと考えた」と語った。

 2006(平成18)年の県発注工事を巡る談合事件以降、指名停止処分を受け、会社存続の危機に直面した時期もあった。5年後も会社が存続できたら、後ろ指を指されることなく胸を張れる会社にしようと、「反省と改善を繰り返してきた」と振り返る。

 佐藤氏は「信頼され、必要とされる健全な会社にすること。その上で世襲ではない形で事業承継し将来に道筋をつけることが創業家3代目の自分の使命」とし、「その役目を果たすことができたと今は安堵(あんど)している」と心境を明かした。

おすすめPickup!ニュースの『玉手箱』

内堀知事初登庁「2期目」スタート 挑戦を進化...復興創生前進