「東北中央道」開通から1年 『米沢』好調...手探りの『福島』

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多くの車が行き交う福島大笹生インターチェンジ。東北中央道の開通で付近の交通量は増えた

 福島市と山形県米沢市をつなぐ東北中央道福島大笹生―米沢北インターチェンジ(IC)間が開通して4日で1年となる。米沢市の道の駅には本県からも多くの人が訪れ、連日にぎわう。福島市の百貨店や温泉地でも「山形ナンバー」の車が増えたが、道の駅の整備などで後れを取る福島には「通過点になる」との危機感もにじむ。

 宿泊、競馬は「恩恵」

 福島市の福島駅前にある中合福島店。10月に初めて行った契約駐車場での車のナンバー調査で「山形ナンバー」の車が担当者の目に留まった。

 物産展を開く際には米沢市でチラシを配るなどPRに力を入れている。担当者は「開通効果を検証しているところだが、米沢から人が訪れている」と説明する。

 飯坂温泉への来訪者数も増加傾向にあるようだ。旅館「祭屋湯左衛門」の柳沼公貴さんは「10月の山形県からの宿泊客は前年から20%増加した」と強調、観光協会の担当者は「飯坂に宿泊して米沢を観光する人もいる」と話した。JRA福島競馬場も"恩恵"を受けており、広報担当者は「福島は米沢から最も近い競馬場。開通効果が出ている」と語った。

 ただ福島大笹生IC近くにある菅野果樹園の菅野清志さん(70)は少し様子が異なる。菅野さんは「ICを降りる車でフルーツライン(県道)の交通量は増えたが、お客さんが増えたかどうかは何とも言えない」と明かした。

 人気集まる「道の駅」

 米沢市の米沢中央ICを降りてすぐと好立地の「道の駅米沢」。米沢牛が味わえる飲食スペースや農産物直売所が人気だ。開所したのは今年4月だが、10月には利用者数が100万人を突破、平日でも人が絶えない。駐車場には山形以外に福島や宮城など県外ナンバーの車も目立つ。

 米沢市と山形県は4、6、9の各月に道の駅の利用状況を調査した。

 4月は利用台数4万7000台のうち約2割が本県のナンバーだったが、9月には約3割に上り、県外で最多となった。米沢市の佐藤明彦観光課課長補佐は「報道で取り上げられ口コミで広がった」と人気ぶりを分析する。

 道の駅には観光コンシェルジュが常駐しており、観光名所を紹介、米沢市全体への波及を狙っている。道の駅の坂川好則駅長は「1日に160件ほど案内した」と手応えを口にした。

 後れ取る道の駅整備...「通過点」化懸念

 福島市は福島大笹生IC付近で道の駅の整備を進めているが、2021年3月までの完成と先は長い。福島商工会議所の渡辺博美会頭は東北中央道を利用して米沢市と相馬市の道の駅に観光客が訪れ、交流人口の拡大につながっている現状などを踏まえ、「福島は通過点になってしまうのでは」と懸念した。

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