古里の空にあの校歌響かせたい...首都圏で暮らす浪江、富岡町民

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 古里の空に懐かしい母校の校歌を響かせたい―。東京電力福島第1原発事故により避難し、首都圏で暮らす浪江、富岡両町の町民が郷土の恒例行事に集い、歌声を合わせようと準備を進めている。富岡町のえびす講市(10、11の両日)と浪江町の十日市祭(24、25の両日)に参加し、県内外に散らばった仲間と再び肩を並べて校歌を歌う計画だ。

 「校歌を通して県内外にいる町民同士が絆を強くし、今後もつながりを保っていきたい」。活動を企画した一人、木幡四郎さん(70)=浪江町から東京都町田市に避難=は、同じ境遇の旧友に思いを募らせる。帰還困難区域を除く避難指示解除に伴い、浪江町では4月になみえ創成小、なみえ創成中が開校した。町内にあった他校も避難先の二本松市で歴史をつないでいるが、一部は休校になった。「伝統ある校歌が途絶えてしまうのではないか」との危機感から、木幡さんらが参加するNPO法人かながわ避難者と共にあゆむ会が母体となり「浪江町と富岡町の小中学校の校歌を歌う会」を結成した。

 会員8人が3日、横浜市の音楽スタジオで練習し、富岡町の小、中学校4校、浪江町の小、中学校9校の各校歌を歌い上げた。譜面を手掛けた小松真由美さん(富岡町出身、都内在住)が伴奏と指導に当たった。

 十日市祭には浪江混声合唱団が駆け付ける。木幡さんは「多くの人たちに一緒に歌ってもらい心から笑って元気になってほしい」と町民の笑顔を待ち望む。

 練習に参加した男性(71)=富岡町から横浜市に避難=は「文化の伝承に口伝えの効果は大きい」と期待し、言葉に力を込める。「みんなで一緒に歌って楽しい記憶を共有できればいい。今は離れていても、校歌を歌い継ぐことで古里とのつながりを守りたい」

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