自然魅せられ「マタギ」弟子入り 八須さん、金山で狩猟始める

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
猪俣さんに弟子入りした八須さん(左)。今秋からマタギとしての一歩を踏み出す

 古来の方法でクマや鹿などの狩猟を行うマタギの世界に飛び込む若者が金山町にいる。埼玉県出身で、同町地域おこし協力隊の八須友磨さん(26)。同町のマタギ猪俣昭夫さん(67)に弟子入りし、今秋から狩猟を始める八須さんは「自然とともに生きていきたい」と意気込んでいる。

 「これが鹿で、これがクマの足跡。この感じだとつい最近歩いたものだな」。金山町中心部から車で20分ほどの林。木々が紅葉に染まった2日午後、八須さんは、猪俣さんの言葉一つ一つをうなずきながら聞いていた。狩猟解禁となる15日からは猪俣さんと一緒に山に入り、いよいよマタギとしての一歩を踏み出す。

 埼玉県鴻巣市出身。両親の影響を受け幼いころから自然が大好きで、東京農大国際農業開発学科に進み、環境保全や自然との共生を学んだ。

 卒業後、食品会社に就職したが1年半ほどで退職し、国内外を旅した。金山町との出合いは東北を歩いて巡る旅の途中に訪れたことだった。自然豊かな町の雰囲気や、人の温かさが心に残った。

 転機となったのは、その後の5カ月にわたるアラスカの旅。キャンプ道具を詰め込み、ベーリング海に注ぐユーコン川をカヌーで下った。一人きりで自然と向き合うと、日の光にさえ感謝の気持ちを覚えるほど五感が研ぎ澄まされ、自然の一部になった幸福感を味わった。

 旅の間は常に木々に囲まれていた。急斜面などどんな環境でもたくましく育つ姿を見て「自分も根を下ろして生活しなければ」と帰国を決断した。定住先として選んだのが金山町だった。

 昨年11月に町の古民家に移住。冬の間はスキー場のアルバイトで生活していたが、自然を相手にする猪俣さんの生活に憧れを抱き、弟子入りを決めた。今年5月には地域おこし協力隊の一員となり、猪俣さんの教えを受けながら、養蜂や赤カボチャの生産などに携わってきた。

 「自然と話ができるようになれ」。猪俣さんから受け取った言葉の一つ一つに重みを感じている。今はまだ分からなくても、自然と向き合うことで見えるものがあると信じる。

 来春には自分の手で町内に小屋を建て、そこで生活する計画も立てている。八須さんは「自然の中で生きていくということを、いろいろな人に伝えていきたい」と力を込める。

おすすめPickup!ニュースの『玉手箱』

内堀知事初登庁「2期目」スタート 挑戦を進化...復興創生前進