読解力向上へ新テスト 県教委がデータ収集、授業改善など活用

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 全国的な問題として表面化している子どもの読解力低下を受け、福島県教委は県内の小学6年生~高校3年生計6215人を対象に、基礎的な読解力の測定に特化した「リーディングスキルテスト」を新たに実施し、読解力向上に向けた授業改善などに活用するデータを収集する。テストは、数式処理を得意とする人工知能(AI)「東ロボくん」で東大入試突破を目指すプロジェクトの中心となった国立情報学研究所の新井紀子教授らが開発。復興支援の一環として、県教委がテストの無償提供を受ける。

 県教委が9日の県議会政調会で示した。県全体で子どもの読解力を把握する調査は全国でも先進的な試み。テストは12日~来年2月21日に順次行われ、小学校12校と中学校11校、受験希望のあった高校23校の児童、生徒がパソコンやタブレット端末で問題を解く。

 同研究所は教科書や新聞記事の文章などを題材に、専門知識がなくても基礎的な文法を踏まえて解答できる問題を作成。主語と述語の関係を把握する「係り受け解析」や二つの異なる文の意味が同じかを読み解く「同義文判定」など7分類ごとに問題を出題し、児童、生徒の弱点を洗い出す。

 同研究所が昨年実施した調査によると、中学生の半数以上が問題文を正確に読めていない実態が明らかになったという。本年度の全国学力テストでは、本県の小学6年生、中学3年生はともに国語や算数・数学で知識を問う「A問題」より読解力が求められる「B問題」の方が全国平均より正答率が低い傾向にあった。

 県教委は児童、生徒が主体的に学ぶアクティブラーニング(能動的な学習)を進めている。ただ、読解力低下で一人では予習や復習の答え合わせすらできなくなる可能性もあり対策が急務となっている。県教委は年度内にデータを取りまとめ、教諭の研修会などで活用することも検討しており「どの段階で読解力につまずいているかを把握し、効果的な指導の一助にしたい」(義務教育課)としている。

 新井教授はAI発達によって将来的に人間の仕事が奪われる可能性を指摘し、学校教育の現状に警鐘を鳴らした著書「AI VS. 教科書が読めない子どもたち」で知られる。福島市で8月開かれた県教委のシンポジウムで講演し、AIが苦手とする読解力を養う教育を呼び掛けていた。

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