県内移住、過去最多194世帯 昨年度、首都圏窓口など積極PR

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福島県内への移住世帯数(福島県把握分)

 福島県内に昨年度、新たに定住または二地域居住したのは194世帯(305人)で前年度より77世帯(132人)増え、過去最多を更新した。

 県は移住コーディネーター配置などの施策に加え、自治体が受け入れる「地域おこし協力隊」の移住も背景にあると分析。ただ本県は人口の転出超過が全国で最も多く、県は、雇用の確保や子育て支援など総合的な施策で人口減少対策を進める考えだ。

 福島市で13日に開かれた県地域創生・人口減少対策有識者会議で県が報告した。194世帯の実績は、統計を取り始めた2006(平成18)年の32世帯の約6倍。県内への移住世帯は震災と原発事故の影響で落ち込み低迷したが、15年度に回復に転じ、16年度に初めて100世帯を超えた。

 県は定住・二地域居住の推進を重要施策に掲げ、昨年度は各地方振興局に移住コーディネーターを配置。首都圏に相談窓口を設けたほか、移住者を支援する市町村に補助する取り組みも進め、受け入れ体制を充実させた。

 また、地域おこし協力隊の約6割が定住したとのデータもあり、県は農業の担い手不足などで隊員を受け入れる自治体が増え、隊員の移住増につながった可能性もあるとする。

 方部別では会津が最も多く、県は首都圏へのPRに積極的なことなどが背景にあると分析。世代別では20~40代が7割以上で、50代以上が7割を占めた震災前と逆転。県は復興支援ボランティアなどで若者が本県に訪れ、移住につながったことも一因とみている。

◆地域おこし協力隊6割定住

 首都圏など都市部から県内に移り住み、町おこしなどに取り組む「地域おこし協力隊」は年々増加している。2017年度は30の自治体(県も含む)が計95人を受け入れ、隊員数は前年度より14人増加した。

 地域おこし協力隊は総務省が09年に設立。市町村が1~3年の任期で募集する。本県では、開始当初はゼロだったものの、10年度4人、11年度6人、12年度20人、13年度22人、14年度27人などと年々増加。

 本年度の隊員は9月時点で114人で、町おこしのほか、農林水産業、有害鳥獣被害対策などに取り組んでいる。

◆希望者と地域つなぐ 「身元引受人」が必要 

 定住・二地域居住の推進について、有識者会議の委員からは、移住希望者に寄り添う個人の存在が重要との意見が出された。

 会議の座長を務める岡崎昌之氏(法政大名誉教授)は「行政だけの組織では限界がある。地域の誰につないだら移住につながるか、移住希望者と地域をつなぐ『身元引受人』のような存在が重要だ」と指摘。

 委員の関元弘氏(さんさいファーム社長)は「組織よりは個人。移住コーディネーターを育成し、『身元引受人』を増やしてほしい」と求めた。岡崎氏は「市職員が移住希望者と地域を結んでいる例もある。『身元引受人』はなかなか生まれてこない。行政も目を見張っていくことが重要だ」と語った。

 このほか委員は県の人口減少対策について意見を述べた。健康をテーマとした「ヘルスツーリズム」については「(50~60代の)大人女子に向けたツアーなど他地域との差別化を図ることが重要」と指摘、働きやすい職場づくりに向けては「働き方改革に特化したコンサルタントを派遣し、取り組みを進めることが大切だ」との声があった。