演劇の魅力と福島伝える 劇団ユニットラビッツ・佐藤茂紀さん

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東京公演で福島の現実や思いを表現すると語る佐藤さん

 「東京、復興五輪なんて言ってる場合じゃねえ」。劇団ユニットラビッツ(郡山市)としらかわ演劇塾(白河市)は24、25の両日、東京都杉並区のザムザ阿佐谷で「@オキュパイドフクシマ 占領下のフクシマで 僕たちの震災時間」を上演する。脚本や演出を手掛けた佐藤茂紀さん(55)は東日本大震災、原発事故からの7年間の思いを作品に込めた。

 「@オキュパイドフクシマ」は、原発事故などで東京に避難していた少女が家族の待つ福島に帰る場面から始まる。福島は最先端の科学技術によって宇宙人に支配され、受け入れる住民と抵抗する住民に分断されたという設定。支配を受け入れる少女の姉が宇宙人に嫁ぐこととなり、宇宙人に抵抗する住民たちが結婚式を狙って宇宙船を攻撃する。

 描いたのは「経済を優先し続け、(原発)事故後には自主避難などで分断された福島の姿」と佐藤さん。クライマックスは攻撃した宇宙船がメルトダウンを始め、主人公たちが爆発を止めるために心の壁を乗り越えて団結する。

 佐藤さんは郡山市生まれ。3歳で近所の劇団に入団した。ウルトラマンやゴジラを見て育った。俳優を目指し続けたが教師の道を選んだ。故郷で劇にゲスト出演したことをきっかけに情熱が再燃、有志らと「劇団ユニットラビッツ」を設立した。現在は県内の高校などで教壇に立ちながら、演劇指導を行っている。

 本作にはアンケートなどで県民の声や体験の一部を本作に反映、随所に笑いも取り入れた。「極端な思想を表現するのではない。演劇の魅力を感じてもらいつつ、泣いて笑って、みんなが協力して未来につなぐ大切さ、福島を考える機会を提供したい」