祖母の悲痛な叫び声「孫が死んじまう」 小野で住宅全焼7遺体

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火災現場には子どものものとみられる玩具の一部が焼け残っていた

 「孫が2階にいる。このままじゃ死んじまう」。21日深夜、小野町で起きた住宅火災。取り残された家族を助けようと、悲痛な叫び声が響いた。空を真っ赤に染め上げるほど大きな火柱が家族9人の暮らす家をのみ込んだ。焼け跡から次々と見つかる遺体に、住民は言葉を失った。

 火災があった無職塩田恒美(つねよし)さん(61)=小野町=方の近くに住む男性(70)は、塩田さんの妻(57)が裸で家から飛び出し、周囲に助けを求める姿を目にした。男性によると、塩田さんは一人で生活するのが困難で、入浴する際、妻が介助していた。妻は、せっけんを取りに風呂場から出た時に火事に気付き、窓ガラスを割って外に飛び出したとみられ、手を切り血を流していたという。男性は「(妻が)『火事だ、助けて』と叫んでいた。火の勢いが強すぎて、自分は何もすることができなかった」と唇をかんだ。

 別の男性(64)によると、火柱は住宅裏手の林よりも高く上がり「消火を手伝える状況ではなかった」という。塩田さんの長女美紀さん(30)の夫(33)が「火事の最中、妻から『熱い。もうだめかもしれない』と電話があった」とうなだれながら話すのを聞いた住民もいた。焼け跡には、子どものにぎやかな日常を感じさせる玩具のブロック、特撮ヒーローの人形が散乱していた。