【再エネの未来】リチウム超える全固体 次世代産業の鍵「電池」

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燃料電池車「MIRAI」について説明を受ける高校生ら=17日、いわき市

 「自動運転も人工知能(AI)も電源(電池)がなければ動かない。電池は人に例えれば心臓」。いわき市に電池産業を集積し、バッテリー利活用の先進都市にする「バッテリーバレー構想」の実現を掲げる、いわきバッテリーバレー推進機構の代表理事を務める東洋システム(同市)の庄司秀樹社長(56)は、電池が次世代産業の「キーデバイス」と言い切る。

 再生可能エネルギーの特徴の一つは、二酸化炭素(CO2)を排出せず環境に優しいとされる「クリーンさ」だ。特に環境への配慮が求められてきた自動車業界は、ハイブリッド車(HV)から電気自動車(EV)、水素自動車と目まぐるしく進化。それに併せて電池に対する要求も高まっている。

 本年度内には、県内初の商用定置式水素ステーションがいわき市に誕生する。整備する根本通商(同市)は「運営が始まれば、燃料電池車や水素バスが走り始める。安全だと分かってもらうためにも、水素利用の場を広げたい」と意義を強調。トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI(ミライ)」を販売する県内の販売店の担当者も「環境が整っていけば、販売にも力を入れやすい」。国や県が掲げる「福島新エネ社会構想」実現への足掛かりになると、関係者の期待を集めている。

 水素が次世代のクリーンエネルギーとして注目される中、庄司社長はリチウムイオン電池を超える"次世代の電池"も見据える。より長い走行距離、瞬間的な充電、縮小化などを求める消費者の要望に応える電池として、実現に一番近いとされるのが「全固体電池」だ。リチウムイオン電池に比べ安全性が高く、充電時間も短縮でき、走行距離も伸ばせるという。

 「2025年ぐらいには全固体電池を搭載した最新鋭の電気自動車やハイブリッド自動車、水素自動車の実現も夢ではない」と庄司社長。東洋システムも開発に携わっており、「新しい技術で単価は高いが、この技術を還元することでリチウムイオン電池の性能も上がる」とみる。全固体電池の開発に成功すれば、日本独自の超高性能の電動車両が世界に発信されることになる。