保育所選びにAI活用 郡山市が実証実験へ、福島市も導入の方針

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協定書を取り交わした(左から)太田支社長、品川市長、樫部社長

 希望しても認可保育所などに入れない待機児童に関連し、郡山市は26日、保護者の希望に基づく保育施設の選定作業でのAI(人工知能)導入に向けた実証実験の実施を発表した。入所を希望する各家庭の状況などをデータ化し、入所施設を決める作業をAIに任せ、作業の効率化や時間短縮、希望する施設と実際に入所する施設の「ミスマッチ」の改善を図る。福島市も同日、選定作業にAIを導入する方針を示した。

 保育施設の選定作業でAIを導入している自治体は国内でも数例しかなく、両市は最新技術を活用し、作業の効率化や待機児童の解消を目指す。

 郡山市は26日、AI導入の実証実験で連携する富士通福島支社とNTTデータ東北と協定を結んだ。

 同市によると、市内に認可保育所や認定こども園などが約70施設ある。選定作業では、保護者の就労状況や家族構成などを点数化、点数が高い世帯を優先して希望する施設に振り分けている。希望者が多い時期には職員5、6人が対応、データ入力や入所に関する調整などで年間1800時間を要しているという。

 実証実験では、AIと事務作業をソフトウエアに代行させる「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」のシステムで、希望施設などに関するデータの取り込みや選定作業などを行う。数日かけていた作業を数秒で処理できるため、保護者への結果通知も従来より早くなる見通し。

 福島市は来年度の実証実験を目指す。これまで保護者は希望する施設を第3希望までしか挙げることができなかったが、AI導入で希望できる施設を4施設以上に拡大する。希望施設を多く示し、選定での落選を減らすことで待機児童の減少につなげたい考え。

 また、両市では選定作業の結果、定員に満たない保育施設が出るケースもあり、AIによるシステム導入で定員を満たさない施設の解消や、「ミスマッチ」を減らす狙いもある。

 両市は実証実験の効果などを踏まえ、本格導入を検討する方針。

 郡山市、2社と連携協定

 保育所などの入所選定に人工知能(AI)などを導入する実証実験に向け、郡山市で同日に行われた連携協定の締結式では、品川萬里市長と、実証実験を行う富士通福島支社の太田一郎支社長、NTTデータ東北の樫部昌弘社長が協定書を取り交わした。

 品川市長は「実り多い取り組みとなるよう連携、協力していきたい」とあいさつ。太田支社長は「最先端の知見を提供し、市の取り組みに貢献していく」、樫部社長は「他の自治体にとっても興味深い内容。職員の働き方改革推進などにつながるよう努める」と話した。