ADR決裂...浪江町民109人が提訴 13億1890万円支払い求め

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 浪江町民約1万5700人が、東京電力に福島第1原発事故の慰謝料増額を求めて申し立てた裁判外紛争解決手続き(ADR)の決裂を受け、浪江町民49世帯109人は27日、国と東電に慰謝料など1人1210万円、計13億1890万円の支払いを求め福島地裁に提訴した。賠償問題の一律的な解決と、事故の責任を明確にすることを目指す。

 弁護団によると、今回を第1次提訴とし、今後の追加提訴で原告は最終的に1500~2000人規模になる見通し。弁護団は12月から来年1月にかけ、県内外で訴訟に関する説明会を開く方針だ。

 訴状などによると、原告は事故当時10~84歳の町民。2011(平成23)年3月の原発事故の被害は広範かつ多様で長期にわたって続いているとした上で、原告らは地域のコミュニティーが破壊され、被ばくによる将来的な健康被害への不安や長期の避難を強いられたことにより、精神的苦痛を受けたとしている。また東電に対しては、町の集団ADRの和解案拒否による精神的損害の慰謝料も求めた。

 提訴は町の集団ADR申し立てに取り組んできた前浪江町長の故馬場有氏の月命日に合わせて行われた。提訴後に会見した原告団長の男性(68)=南相馬市に避難=は「国と東電の責任を明らかにするため、原発事故の原因究明を求めていきたい」と語った。

 東電は「訴状が送達された場合には、請求内容や主張を詳しく聞いた上で真摯(しんし)に対応していく」とコメントした。