帰還住民の被ばく線量「管理」 帰還困難区域・放射線防護対策

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 帰還困難区域に設ける特定復興再生拠点区域(復興拠点)について、政府は28日、住民が帰還した場合の放射線防護対策の骨子案を示した。個人線量計で帰還した住民の被ばく線量を管理することなどを柱に、住民の安全・安心につなげる。また避難指示解除前にバリケードを撤去して立ち入り規制を見直し、自宅の修繕や町づくりを進める住民の利便性を高め、解除に向けた取り組みを加速させる。

 骨子案は同日の原子力規制委員会の定例会合で示され、規制委は妥当と判断した。政府は12月上~中旬に詳細な防護策をまとめる。

 骨子案では避難指示解除の前後でそれぞれの防護対策が盛り込まれた。解除前は放射線量を詳細に測定して線量マップを作製するほか、拠点区域内で生活する複数の行動を想定した外部被ばく線量を推計。ちりやほこりの放射性物質なども測定し、住民の健康不安に対する相談窓口を設ける。立ち入りを規制しているバリケードの撤去時期や撤去箇所は各自治体と協議して決める。

 準備宿泊が始まった後や避難指示解除後は、個人線量計で生活パターンごとの実測データを蓄積し、被ばく線量を推計する。震災当初と現在の空間線量の比較図を提示するほか、専門家による相談対応も行い、帰還した住民の不安に応じる体制を整備する。

 復興拠点を整備中の6町村(双葉町、大熊町、浪江町、富岡町、飯舘村、葛尾村)は、2022年春~23年春までに拠点全域の避難指示解除を計画しており、政府は解除に必要な要件を年内に示す考え。JR常磐線は帰還困難区域内で不通となっているが、20年3月末までに全線開通する計画で、このため政府は拠点内にある双葉町の双葉駅、大熊町の大野駅、富岡町の夜ノ森駅の周辺など一部地域で先行解除を目指している。