「トリチウム...人体に影響見つからず」 処理水で政府委員見解

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 東京電力福島第1原発の汚染水を浄化後に残る放射性トリチウムを含んだ水を巡り、処分方法を検討する政府の小委員会は30日、都内で会合を開き、トリチウムが人体に与える影響などについて議論した。委員の田内広茨城大教授(放射線生物学)は「トリチウムを排出している原子力施設の周辺住民に、トリチウムが原因と考えられる影響の例は見つかっていない」との見解を示した。

 8月の公聴会では参加者から、海洋放出などによりトリチウムを環境に放出した際の健康影響を懸念する声が相次いだ。田内委員は30日の会合で「トリチウムが生物の体内で濃縮されることはない」と報告した。

 柿内秀樹委員(環境科学技術研究所研究員)は、環境中のトリチウムの測定には時間と熟練を要するとした上で「分析体制を構築し、適切な目標設定が必要となる」と指摘した。崎田裕子委員(ジャーナリスト・環境カウンセラー)は「測定結果を地域に伝えて説明することが信頼関係をつくるために大切となる。早い段階から住民が参加できるようにすべきだ」と述べた。

 一方、東電の担当者は会合で、多核種除去設備(ALPS)で処理後の水について、放射性物質濃度の測定結果を示す資料に千カ所超の訂正が相次いだことを陳謝。測定データを見やすくまとめたホームページを近く新設すると説明した。

 小委は12月28日に次回会合を予定しており、年明けから報告の取りまとめに入る見通しだ。