オレオレ詐欺の新手口はカード狙い 個人情報調べ...警察官など装う

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 警察官や銀行員などと名乗って電話をした後、キャッシュカードをだまし取る「オレオレ詐欺」の新たな手口が福島県内で横行している。公務員や金融関係者を装い信用させ、現金ではなくカードを奪うのが特徴だ。今年1~10月の県内のオレオレ詐欺被害の3分の1がこうした手口によるもので、県警が注意を呼び掛けている。

 ◆肩書を名乗り電話

 「旦那さんの郵便局の口座が悪用されている」「捜査に協力してほしい」。11月中旬のある日、浜通りの高齢女性宅に電話が相次いだ。電話の男が名乗る肩書は地元警察署員、銀行協会職員、郵便局員などさまざま。「個人情報まで知っていた。うっかり信じ込んでしまった」。女性は同日、自宅を訪れた男にキャッシュカード1枚を手渡し、暗証番号も教えてしまった。後日、口座から預金が引き出されていた。

 浜通りの別の高齢男性は11月下旬、自宅を訪れた地元警察署員などを名乗る男の指示で、手渡された封筒にキャッシュカードを入れて自分で保管した。「カードが偽造されている。許可するまで封を開けないで」などの言葉に従ったが、数日後、封筒を確認すると別のカードにすり替えられていた。

 ◆言葉巧み不安あおる

 「あなたの口座が犯罪に使われている」などの言葉で不安をあおり、「捜査の一環」「新しいカードとの引き換えが必要」などの言い分でキャッシュカードを奪う。相手を信用させるために事前に調べた個人情報を会話に織り込む―。こうした手口は昨年から目立ち始めた。

 県警のまとめによると、オレオレ詐欺の被害件数は過去最多の91件(被害額2億2389万円)だった2015年を除き、14年以降は年間30件台で推移。しかし今年は特に被害が目立ち、10月末現在で前年同期比11件増の39件が確認されている。このうち直接キャッシュカードを手渡したのは13件。すでに昨年1年間の被害件数を上回った。被害に遭っても県警に届け出ていないケースも想定され「被害実数はもっと多いとみられる」(県警幹部)のが現状だ。

 ◆県警「カード預かることない」

 被害件数の増加を受け、県警などは被害防止の重点区域を県内各地に設けたほか、詐欺被害に遭う危険度の判定テストを独自に作成、運用を始めた。被害に遭いやすい高齢者だけでなく、家族ぐるみで防犯意識を高めてもらうのが狙いだ。県警の担当者は「捜査員がキャッシュカードを預かることは、まずない。不審な電話はすぐに相談してほしい」と話している。

 県警によると、県内では今年1~10月、詐欺の予兆とみられるはがきが前年同期比1415件増の1438件、メールが同556件増の754件確認された。

 有料動画の未納料の支払いを要求する内容が多く、「法的手続きに移行する」「民事訴訟を起こす」などの文章で不安をあおるのが特徴。はがきには、差出人が実在する団体と信用させるため、情報保護シールが貼られているケースもあるという。