陶芸の新天地開く「会津本郷焼」 樹ノ音工房・佐藤代表が意欲

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
受賞作を手に「会津本郷焼の魅力を広く発信したい」と意欲を語る佐藤代表

 樹ノ音工房(会津美里町)の佐藤大寿代表(45)が手掛けた会津本郷焼の飴(あめ)釉(ゆう)皿と灰釉皿が、日本民芸館(東京都)の新作工芸公募展で奨励賞に輝いた。7度目の出展で初の受賞。佐藤代表は「会津本郷焼の名が広まるきっかけになってほしい」と喜びに浸る。

 実家は同じ町内で6代続く窯元「陶雅陶楽(とうがとうらく)」。東北芸術工科大大学院(山形県)の陶芸コースを出た後、実家に戻り、妻朱音さん(45)と結婚した2001(平成13)年に今の工房を開いた。「時代に合った陶芸の新天地を開きたい」との思いから、朱音さんと二人三脚で若い世代向けの作品づくりに没頭した。

 そんな佐藤代表に大きな変化をもたらしたのが東日本大震災だった。震災と原発事故の影響による取引中止など、会津本郷焼への風評被害が広がった。時代のニーズに合わせ若い世代向けの作品などを大量生産してきたが、震災を経験したことで「会津本郷焼の伝統をしっかり継承していかなければ」との思いが芽生えた。作品づくりへの向き合い方が変わった。

 会津本郷焼の伝統に時代の流れを取り入れた作品の数々。「焼いた後の釉薬のかかり具合やたまり具合などが魅力」。佐藤代表は釉薬への強いこだわりをみせる。実家に代々受け継がれれてきた釉薬の配合と独自の配合を掛け合わせた独特の色合いは、その配合や焼き上げる時の窯の温度などが良しあしを左右する。「毎日が試行錯誤。身近に使ってもらえるような作品を作っていきたい」と受賞作品を手に意欲を語る。

 作品は23日まで東京都で開催の日本民芸館展で展示。佐藤代表は民芸の世界に伝わる言葉「無名性の美」を引き合いに「技術力や感性を突き詰め、若い世代にも会津本郷焼を継承していきたい」と思いを新たにする。