映画監督・渡辺裕也さん「かっこよかった」 祖父の姿を映画に

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わたなべ・ゆうや 須賀川市出身。須賀川二中卒。茨城県の高校を卒業し、デジタルハリウッド大に進学。同大中退後、助監督として映画製作に携わる。初監督作品「ハッピーアイランド」は16日、地元須賀川市で上映された。

 風評で野菜が売れなくても懸命に農作業に汗を流した祖父の姿を、初監督作品「ハッピーアイランド」に託した。「愚痴をこぼさず、前向きに生きる祖父はかっこよかった」。今は亡き祖父の生きざまを伝えようと製作に乗り出した。

 県外の高校で寮生活を送る中、映画好きの友人と作品を観賞する時間が何よりも貴重だった。自然と「自分も撮ってみたい」と思うようになり、大学中退後、助監督として活動。2015(平成27)年、本作の製作のため、東京から帰郷した。放射性物質検査をしないと出荷できない野菜、根強い風評の現状を目の当たりにした。故郷で感じたこの「違和感」を、東京から須賀川の農家で生活することになった主人公の青年に反映した。

 主人公は定職にも就かず中途半端な生活を送る23歳。あるきっかけで須賀川の農家を手伝い始めるが、風評に向き合い懸命に生きる彼らとの交流を通して、少しずつ心境に変化が生まれる。「福島を知らない人間が理解を深めていく筋立てにすることで、県外、そして海外の人にも現状が伝わるようにしたかった」

 作品でこだわったのは、端緒となった祖父の「かっこよさ」。主人公のせりふ「大変じゃん。一生懸命生きるのって」。動かし難い現状を前に、諦めず必死に格闘する人物たちを、いかにかっこよく描くか、映していくか腐心した。製作で出会った農家の人たちを「自分の自慢」と誇る。懸命に生きる人たちを活写するそのまなざしには、人間への愛と敬意がこもる。

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