避難12市町村「空き家」「空き地」活用 魅力あるまちづくりへ

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 復興庁は、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出た12市町村について、空き家や空き地を活用したまちづくりを来年度から支援する方針を固めた。避難の長期化により市街地にも空き家や空き地が目立つ中、市町村に有効活用を促すことで、帰還に向けた受け皿づくりや地域に帰還、移り住んだ住民らが新しいコミュニティーをつくる場にするなど、魅力あるまちづくりを後押ししたい考えだ。

 原発事故からの復興を支援する「福島再生加速化交付金」の対象事業を来年度から拡充する案が軸になっている。具体的には、市町村が地域にある空き家や空き地の状況を把握し、修繕すれば再利用できるかどうかを調査、公的施設への転用を含めまちづくりの方策を探ってもらう。復興庁は住宅診断士ら専門家の委託費用への支援などを見込む。

 古里に帰還した住民や移住者、避難先から訪れた人が集まる地域の交流施設にするほか、ボランティアや被災地の視察、調査などが目的の大学生、若者らを受け入れる施設として生かすことが想定される。復興庁は「避難指示が解除された地域などに対し、住民の帰還促進やコミュニティーの維持、形成に役立つようなまちづくりへの支援を検討している」と説明する。

 被災地で増えている空き家や空き地を巡っては、市街地の空洞化を印象付けたり、荒廃が進んで街並みの景観を損ねたりして、市町村による新たなまちづくりの足かせになっている。

 原発事故で全町避難が続く大熊町は一部地域の避難指示解除を見据え、町内の不動産に関する相談窓口などを担う「おおくままちづくり公社」を昨年設立、所有する不動産管理について悩む町民に対応している。町の担当者は「空き家や空き地への対応は長く続けていく必要がある」とし、財源確保の見通しが立つことを歓迎。一方、不動産のマッチングには時間がかかることを念頭に「ニーズがある人に物件が渡るまで保存、保全にも支援があれば望ましい」と指摘した。