貸出期限設けず「本が自由に旅」 坂下・ふくしま本の森開館3年

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絵本の充実に向け、寄付を呼び掛ける遠藤さん

 東日本大震災の復興支援で全国から寄せられた本を譲り受けて始まった会津坂下町の図書館「ふくしま本の森」が今年、開館から丸3年を迎えた。貸出期限を設けず「本に自由に旅をしてもらう」というユニークな取り組みは、国外に広がっている。代表の遠藤由美子さん(68)は「将来は絵本を増やし、『絵本の森』にしたい」と夢を膨らませる。

 館内には公立の図書館と同じように、ジャンル別に整理された本が整然と書棚に並んでいる。芥川賞や直木賞受賞作を紹介する手作りの特設コーナーもある。「3年前は段ボールがびっしり。今の片付いた姿は、当時は想像もできなかった」。遠藤さんは笑顔で振り返る。

 善意の本譲り受け

 2015(平成27)年9月の開館。遠野文化研究センター(岩手県)に寄せられた本のうち、段ボール800箱分、約4万冊の本を譲り受けて遠藤さんら有志が始めた。図書館の内装のほとんどは手作り。運営もボランティアスタッフに支えられている。
 本に貸出期限はなく、また貸しも可能。同図書館の独自のルールは、復興支援の思いも踏まえ「本は誰のものでもなく、みんなで共有するもの」との考えで始まった。

 各地に小さな本棚

 本の貸し出しで柱になっているのが、各地に小さな本棚を設け、同館の蔵書を置いてもらう「街かど図書館」の取り組み。現在は高校の寮や病院、公民館など県内四十数カ所に設けられていて、今年は海外で初めてミャンマーにも設置された。同国の公用語であるビルマ語に翻訳した本を貸し出している。

 運営に協力するボランティアの数も徐々に増えている。喜多方市の男性(69)は「ボランティアを通じて学ぶことも多く、さまざまな出会いが楽しい」と話す。

 絵本の寄付呼び掛け

 この3年間で賛同の輪は着実に広がってきたが、課題も見えてきた。開館後も続々と寄付が届き一般の蔵書が充実する一方、貸し出しの多い絵本は、現在館内にあるものが開館当初よりも少ない300冊ほどとなった。将来的に絵本や児童書を充実させたいとの考えがあるため、スタッフは対応に苦慮している。

 遠藤さんは「絵本の汚れは勲章のようなもの。どんな状態でも、寄付してもらえればありがたい」と呼び掛けている。

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