「小高パイオニアヴィレッジ」1月20日開所 起業家らの活動拠点

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急ピッチで建設が進む小高パイオニアヴィレッジ。半透明の壁が施設内で活動する人々をぼんやりと映し出す

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が大部分で解除された南相馬市小高区で来年1月20日、起業家らの活動拠点となる民間の複合型施設「小高パイオニアヴィレッジ」が開所する。原発事故により一度無人となった被災地で事業を起こすパイオニア(開拓者)たちが、小高区で新たな営みを生み出す。

 運営するのはITベンチャー起業家ら4人でつくる小高区の一般社団法人「パイオニズム」。和田智行代表(41)は「行政から物や人を受け取っているだけでは地域は生き残れない。地域を残していくためには、行政から独立した民間の事業を起こす必要がある」と力説する。

 2016(平成28)年7月に大部分で避難指示が解除された小高区は、今年11月末現在で3060人が居住し、その数は震災前の約2割超。住民の帰還とともに、街中は徐々に活気を取り戻しつつあるが、若年層の帰還促進に向けた働く場の確保など、課題は山積する。

 小高商工会によると、震災前の会員数は317事業所。11月20日現在、会員数は285事業所で、うち区内での再開は103事業所にとどまっている。

 施設は鉄骨2階建て、建築面積約156平方メートル。複数の起業家らが一つのスペースを共有し、それぞれ独立して仕事ができる共同オフィスや工房、長期滞在用の簡易宿泊スペースを設ける。総事業費は約8千万円で、自主財源のほか、日本財団の基金から助成金約6千万円、クラウドファンディングで調達した約500万円を活用している。

 施設には、複合サービス業「小高ワーカーズベース」(和田智行社長)が区内で運営する共同オフィスやガラス工房も入所する。同市と同社が今年設立した、首都圏などから同市に移住してきた起業家を支援する団体「ネクストコモンズラボ南相馬」の活動拠点としても利用される。

 来年1月下旬には同市が小高区に整備する復興拠点施設「小高交流センター」が開所を控える。公・民による「交流の場」の完成に、住民帰還への相乗効果も期待される。和田代表は「起業家同士や住民が交流がしやすい環境を整え、『小高で創業したい』と思ってもらえるような施設にしたい」と前を見据える。