『自然』生かした新たな誘客 福島県が「グリーン復興」着手へ

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震災後に減少した国立公園の利用者数回復に向けた対策は急務だ。写真は尾瀬国立公園

 県は環境省と連携し、県内の自然を生かした新たな復興推進事業「グリーン復興」に着手する。エコツーリズムなどを通し、自然体験を望む観光客や、インバウンド(訪日外国人旅行者)の増加を目指す。

 同省が進める「福島再生・未来志向プロジェクト」の一環として事業を展開する。具体的な取り組みは今後検討されるが、県は自然保護と適切な活用を軸に県内の国立公園など自然資源を生かしたエコツーリズムや環境教育を進める考え。既存の登山道や遊歩道などをつなぎ合わせた自然歩道「ロングトレイル」の整備に加え、自然や文化、歴史などの見どころを掘り起こしたコースを創設し、観光客が地域を周遊する仕組みづくりを進める。

 同省はこれまでグリーン復興事業として国立公園の一部再編に踏み切り、津波で被災した青森県南部から宮城県の三陸海岸一帯を占める国立公園「三陸復興国立公園」を創設した。本県は国立公園に津波被災や、東京電力福島第1原発事故の影響がほぼなかったことから公園の再編は行わず、既存の自然公園の枠組みで利活用策を検討する。

 県によると、磐梯朝日国立公園や尾瀬国立公園をはじめ、県立公園など県内の自然公園の利用者数は、風評被害などの影響で震災前の7割に満たないのが現状で、観光面を含めた公園利用促進が急務となっている。

 同省は福島第1原発事故の除染で生じた汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)を巡り、土壌搬入を2021年度までにおおむね完了させる方針。搬入完了後は中間貯蔵施設の円滑な運用に加え、復興を新たな段階へと進めるため所管する自然公園を生かしたグリーン復興に施策の重点を置き、県の観光振興を支援する。県は「関係市町村との意見を踏まえながら、国立公園の魅力向上を図りたい」(生活環境部)としている。