郡山・うすいの「まちなかピアノ」...それぞれの『思い』奏でる

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「トロイメライ」を演奏する女性と、それに聞き入る祖母

 「誰でも自由に弾けるピアノをまちなかに」との思いを込めて、郡山市のうすい百貨店に設置された「ドリームピアノ」。師走の買い物客でにぎわう店内で、音楽を愛する人たちがそれぞれの思いを胸に鍵盤に向かっている。

 避難先で連弾した曲

 29日の昼下がり。2階フロアに、少し遅めのクリスマスソングが聞こえてきた。母親と出身地のいわき市に帰る途中の、神戸市の女子中学生(12)は、神戸市の友人と初めて連弾した曲というジャズ調の「きよしこの夜」を弾き始めた。

 女子中学生はいわき市に住んでいた5歳の時、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が発生。ピアノを習い始め、楽しいと思えてきたばかりでの自主避難だった。避難後はピアノと距離を置いていたが、友人の通う教室に遊びに行った際、ピアノを弾く楽しさを思い出し、再び向き合うようになった。

 「やっぱりピアノが大好き」

 祖母と孫のひととき

 東京の会社員、女性(24)。郡山市に住む祖母(74)方に年に2回帰省し、家で祖母にピアノを聴いてもらうのを楽しみにしている。

 弾いたのはシューマンの名曲「『子供の情景』よりトロイメライ」。祖母は、東京で開かれるピアノの発表会に足を運ぶほど、女性のピアノの「大ファン」という。

 「いつも通り、本当に上手でした」

 気兼ねなく3曲演奏

 買い物客が足を止め、店員もじっと聞き入る繊細な音色。演奏後、拍手の中で照れ笑いを浮かべた郡山市の女性(65)は40年前から演奏しているという、映画音楽「ひまわり」など3曲を弾き上げた。自宅にあるのは電子ピアノで、近所に配慮して普段はヘッドホンを付けて練習している。

 「気兼ねなく弾くことができて、本当にうれしい。また弾きに来ます」