双葉郡の鳥獣...「静かに山に帰って」 町のど真ん中に白昼堂々

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 間もなく、いのしし年。猪突(ちょとつ)猛進よろしく元気なイノシシが線路をまたいで前進中―と言えばほほ笑ましい写真だが、事態はそうではない。東京電力福島第1原発事故で全町避難中の双葉町のど真ん中、しかも白昼堂々の姿だからだ。

 動物たちが悪いわけではない。人間界からの「圧」が弱まり、野生動物は生きるために活動範囲を広げた。境界を押し戻すには人間界にも数の力が必要だろう。

 撮影した共同通信社いわき通信員の中村靖治さんは被災地の実像を撮り続けてきた。「市街地へあふれる野生鳥獣」と題した組み写真は今年3月に配信、今月の東北写真記者協会表彰で企画部門銀賞を受けた。

 今年も復興への歩みは着実に進んだ。獣害対策も練られている。ただ、野生の脅威は依然残る。来年こそは人間界が盛り返し、鳥獣には静かに山に帰っていただく道が開けてほしいと願う。

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