「ロボットテストフィールド」全施設完成へ 南相馬に産業拠点

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 東日本大震災の津波で浸水した南相馬市原町区萱浜地区で、急ピッチで整備が進む災害対応ロボットの実証拠点「福島ロボットテストフィールド」。2019年度は、全15施設が完成する。新たな技術と産業の拠点の完成に関係者は、企業進出や交流人口拡大など浜通りの経済的波及効果に期待を膨らませている。

 すでに一部施設が開所している拠点には、国内外から多くの研究者が訪れ、ロボットの実証実験を行っている。目玉は、小型無人機「ドローン」が自由に飛ばせる環境だ。ドローン関連市場の成長が見込まれる中、航空法などの規制の問題で、国内で長時間にわたり飛行できる場所は少ない。拠点では原則、ドローンを自由に飛ばせるほか、ロボットの落下、強風など特殊な環境を想定した実験にも取り組むことができる。

 拠点は、無人航空機、インフラ点検・災害対応、水中・水上ロボット、開発基盤―の4エリアに分けられる。本館としての機能を持ち、研究者の活動拠点としても利用可能な研究棟は今年夏ごろの開所を予定。このほかドローンを自由に飛ばせる国内最大規模のネット付き飛行場をはじめ災害を模した橋やトンネル、水害で冠水した市街地などを整備し、陸海空にわたるロボットの開発や訓練の場とする。

 市によると、ロボットの実証実験で同市を訪れた研究者の数は2015(平成27)年度が約300人、16年度が約1000人、17年度が約4000人。18年度は11月末時点で4500人に上り増加傾向にある。

 ただ、進出企業とのマッチングを目指す地元企業の育成や、研究者を受け入れる宿泊施設など課題も残る。神沢吉洋市ロボット産業推進担当課長は「人手不足の解消、個々の生産性向上を図る絶好の機会。経済界と連携して、まちの元気につなげていきたい」と意気込みを語った。