県警職員を児相に出向へ 連携強化、子ども保護など対応迅速に

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 福島県警は新年度、県内各地の児童相談所(児相)に警察官や少年警察補導員など複数人の県警職員を出向させ、児童虐待の疑いがある18歳未満の子どもの保護に力を入れる。県警職員が児相に出向するのは初めて。県警と児相が連携し、児童の安全確保など迅速な初期対応を目指す。

 県警の向山喜浩本部長が4日、年頭の記者会見で明らかにした。向山本部長は「児童相談所との連携は極めて重要。児童虐待対応の知識を持つ職員を派遣し、児童の安全確保に向けた警察と児相との相互理解、円滑な連携を促進して対応力を向上させたい」と述べた。

 全国的に警察と児相の情報共有が足りず、子どもが虐待で死亡する事件が続発。埼玉県狭山市で2016(平成28)年1月に起きた3歳女児の虐待死亡事件では、事件前に警察官が保護者を聴取していたが、虐待の可能性について児相と情報を共有していなかったことが課題となった。

 県警と県は昨年1月、児童虐待について情報共有を徹底する協定を締結。全国でもさまざまな形で警察と児相が連携しているが、人的交流に発展させることで、ノウハウの蓄積や情報の綿密な共有を図る。

 県は、県警など関係機関と連携を深めることで、重大事件を撲滅したい考え。県は「警察官の出向は心強い。(県警と)足並みをそろえて一緒に対応することができる」(児童家庭課)としている。

 警察から通告急増

 児童虐待の疑いがあるとして、警察から児相に通告されるケースが全国的に急増している。昨年1~6月の上半期では過去最高の約3万7千人に上った。

 県警が昨年、児相に通告した子どもの数は過去最高の833人(暫定値)。重大事件化の未然防止のため16年以降、児童虐待の「疑い」でも、児相に通告する方針を取っており、子どもの前で家族に暴力を振るうといった面前DV(ドメスティックバイオレンス)を心理的虐待として認知していることが増加の要因になっている。

 また、児童虐待に対する意識の高まりなどから、市民からの情報提供も増加しているという。